この記事は2017年の夏の北海道ツーリングの後半の記事です。
旅の概要や前編はこちらの記事をご覧ください。
レポート
5日目:阿寒 - 標茶
朝は曇りからのスタートだったが、昼頃に釧路の市街地に着いてからは少し晴れ間が見えるようになってきた。5日目にしてやっと青空を見る事ができた。
釧路市街からは北に進路を変え、国道391号 摩周国道を進む。どこまでも続く広大な湿原の中を走る。
やっと天候に恵まれてテンションが上がる。青空の下で湿原の中を駆け抜けるのは本当に気持ちいい。
日も傾いてきたので今夜のキャンプ地に向かう事にする。
多和平キャンプ場
丘の上の放牧地に囲まれたキャンプ場でとても眺めがいい。天気がいいと地平線が見えるらしい。
6日目:標茶 – 斜里
早朝は天気が悪く、キャンプ場から良い景色が見られなかったが、だんだんと晴れて来た。
青空の下で北海道の直線道路を走るのは本当に気持ちが良い。
この日は斜里に向かうため、道道150号で北上していく。
道道150号に入ると山に書かれた大きな「牛」が現れる。
この辺でさほど牛は見かけなかったんだけど、これは誰が何を表現したかったのだろう・・・
裏摩周展望台
道道150号の最高点、清里峠からは摩周湖へいく事ができる。以前ちょうど反対側にある摩周湖第一, 第三展望台には行った事があって、そっちの方がメジャー。こっちはマイナーな方だから「裏摩周」って事かな。
眺めは微妙・・・逆側の展望台のほうが景色はいいと思います。木が邪魔であまり摩周湖が見えない。
展望台の景色よりも、ダウンヒルの序盤で見える景色の方が素晴らしい。
裏摩周までの道はコンビニすら一軒もない本当に何もない場所なので、静かで雄大な山の景色を楽しめる。
道の駅 パパスランドさっつる
温泉が併設された道の駅。最近作られたばかりなのか、かなり綺麗。
峠を越えて疲れていたので外にある足湯に1時間くらい浸かってしまった。
斜里に到着!来たぜオホーツク海!
実は同じ時期に北海道を車で旅している友人がいたので、斜里で待ち合わせ。今日はその友人と一緒にキャンプをする。
みどり工房しゃり そよ風キャンプ場
斜里岳が大きく見えるキャンプ場。よく整備されていてフリーサイトも広い。トイレかなり綺麗だった。
友人の機材を借りて一緒にキャンプ。自転車ではこんな大層なキャンプ装備を運ぶことなんてできない。
ツーリング中とは思えないほど充実したキャンプをさせてもらった。
7日目:羅臼岳登山
この日は自転車には乗らず、登山の日。
昨日合流した友人は登山仲間でもあるので、この日は一緒に登山をすることにしていた。
登る山は羅臼岳。標高1661m, 知床連山の主峰にして最高峰の山です。
※この日の詳細は別記事でまとめました、こちらをご覧ください。
早朝、車で木下小屋の登山口へ。
沢の登りでは振り返ると知床五湖とオホーツク海が一望できた。
山頂直下は険しい岩場が続く。
羅臼岳山頂。見事にガスっていて視界ゼロ・・・
知床峠を見下ろすのが楽しみだったので残念。
と思ったら下山途中に晴れてきて、なんとかギリギリ知床半島の山岳風景を楽しむ事ができた。
8日目:斜里 – 標津
今日は友人と別れ、昨日に続いて再び知床半島へ向かう。
まず最初に目指すのは、昨日登った羅臼岳のすぐ脇を通る知床峠。今回の旅で楽しみにしていた場所の一つだ。
知床半島の海岸沿いを走る。
路側帯も広く、海風も強くないので快適に走れた。北海道は長い直線道路が魅力だけど、海岸線の道も本当に気持ちが良い。
この道では沢山の大学生の自転車集団とすれ違った。みんな楽しそうに走っていて、サイクリング部OBとしてこっちもうれしい気持ちになる。
海岸線では柱状の岩が連なったような不思議な地形を見る事ができる。後で調べてみると、火山によって形成されたもののようです。
ウトロの町を過ぎるといよいよ知床国立公園の核心部に入る。
目指す知床峠は標高738m。高さこそ大した事ないけど、海抜0mから登っていくので登坂距離は10km以上になる。
5~7%の勾配が続く。過剰な急勾配が無いので一定ペースで登っていける。
登りの半分を過ぎたあたりから羅臼岳が姿を見せる。昨日と同じく頂上部分だけ雲を被ってる。
標高700m地点まで登ってきた。自分が登ってきた道、森の緑と海の青のコントラストが印象的な景色。
この手の開けた景色の山岳道路って関東では1800mを超えるくらいじゃないとなかなか出会えないのだけど、北海道、特に知床は森林限界が1000m以下なので標高が低くても景色のいい道がたくさん存在する。
知床峠に到達!
残念ながら頂上は雲に覆われて景色を楽しむ事はできなかった。まぁ、ここまでの登りでいい景色をたくさん見れたからよしとしよう。
知床峠から羅臼町側へ向かう。すこし登ってからダウンヒルをすることになる。
ウトロ側の晴天が嘘のような曇り空。
多分、この時期は南から風が吹いていて知床の山がそれを受け止めて羅臼町側に雲ができてしまうのだと思う。
羅臼町の海まで下ってきた。
羅臼町からはすぐ近くに北方領土の国後島を望むことができる。
こんなにすぐそばにあるのに、ロシアに実行支配されているなんて実感が湧かない。
曇り空の中、海岸線をひたすら走る。ウトロ側の気持ち良かった海岸線から一転して、地味なアップダウンが多い体力的に消耗する道になった。天気も悪くて楽しくないので心を無にしてひたすらペダルを回した。
標津に到着した後は海のすぐそばのキャンプ場、標津海の公園キャンプ場へ。
国後島が見えるキャンプ場。近くにコンビニ、温泉、スーパーがあって非常に便利だった。
9日目:標津 – 女満別
9日目。明日の朝の便で関東へ帰るので実質今日がツーリング最終日。
今日は標茶を再び経由して空港のある女満別に向かう。
まずは道道13号 中標津-標茶線を進む。
道中見つけた謎の魚。なぜ地面から生えているのか・・・
弟子屈へ。
弟子屈ラーメン
疲れた身体にはやっぱりラーメン!という事で、友人に教えてもらったラーメン屋へ。辛味噌ラーメンを注文した。
ラーメンを食べたあとは美幌峠に向かって屈斜路湖沿いを走る。
山をバックにした広大な牧草地で草を食べる牛たち。こんな景色を見ると、自分もここで牛達と一緒に暮らしたいと思ってしまう (笑)
美幌峠の登り。屈斜路湖を見下ろしながら登る。
美幌峠を登り切った。
実はここには4年前にも来た事がある。そのときはガスっていて本当に何も見えなかった事を覚えてる。
天気に恵まれなかった今回の旅だけど、美幌峠ではちゃんと晴れてくれた。
溜息をついてしまうような美しい景色。旅の最後にこの峠の景色を見る事ができて本当によかった。
ここは摩周湖からも近く、車でも簡単に訪れる事のできる場所なので、北海道に旅行に行く人には是非お勧めしたい。
下るのが惜しくてかなり長い時間美幌峠にいた気がする。でも明日の飛行機に乗るためになんとしても今日は女満別まで行かなくてはいけない。後ろ髪をひかれる思いでダウンヒル。
美幌町へ向かう国道243号の並木道。
4年前に来たときと全く同じ道を走っている。自転車ツーリングで走った道というのはどこでも記憶に残っているもので、当時の事を思い出す事ができる。
美幌峠で景色を堪能し過ぎたおかげで女満別に着く頃には完全に日が落ちてしまった。
夕日を見て走りながら、これが北海道で見る最後の夕日かと思うと寂しい気持ちになった。
この日は女満別駅のすぐそばの女満別湖畔キャンプ場へ。
湖畔の林間にあるキャンプ場で、温泉が近くにある。
最後のキャンプなので、少し豪華な食糧を買いこんで食べた。北海道の旅の写真を見て旅を振り返ってから眠った。
10日目:女満別 – 女満別空港
今日は10km離れた空港へ向かうだけ。
コンビニにいって一部の荷物を家に送る。
お土産を持ち帰るのにキャンプ道具が邪魔なため、旅の最終日はいつもキャンプ道具を家に宅配便で送る事にしている。最後に走る北の大地の感触をかみしめながら女満別空港に到着。
マルセイバターサンドを大量に買い込んで羽田に帰りました。
まとめ
去年から走りたいと思っていた北海道。前半が毎日雨という近年稀にみるバッドラックな天候だったけど、やっぱり北海道のツーリングは格別だった。毎回来ると思う事ですが、北海道は他の地域とは一線を画した独特の雰囲気を持っている場所だと思います。今までいろんな都道府県を走ってきましたが、「ツーリング」を一番楽しめるのは間違いなく北海道です。だから多分、これからも色んな場所をツーリングしつつ、思い出したように北海道に帰ってくる事を繰り返すと思います。ツーリングの聖地北海道を再確認した、そんな旅でした。
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