梅雨明け間際の南アルプス 白峰三山縦走 2泊3日2017年7月24日

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先週の仙丈ケ岳に引き続き、海の日の3連休も南アルプスへ行ってきました。今回は白峰三山縦走。白峰三山は北岳間ノ岳農鳥岳の3つの峰の総称です。それぞれ日本の高峰第2位、3位、15位であり、まさに「日本の屋根」を代表する縦走路の一つです。

1.ルート

 

広河原から登り、奈良田へ降りるルートを2泊3日で歩きます。白峰三山の縦走では最も一般的なルート、日程でしょう。

1日目:広河原から大樺沢を登り、右俣ルートへ。肩の小屋を経て北岳へ登頂し、北岳山荘にてテント泊。
2日目:北岳山荘からひたすら稜線上を歩き、間ノ岳、農鳥岳を登頂、大門沢小屋まで下ってテント泊。
3日目:大門沢小屋から奈良田へ下山。

 全長約25km。2泊3日で歩けば1日の距離はちょうどよいです。1泊2日で歩くのはかなり大変なように感じました。
全体通して危険な箇所はありません。強いて言えば大門沢小屋前後の不安定な橋から落ちない事です。下に流れる川の水量が少ない場合は橋を使わずに渡った方が安全な場合もあります。(レポート内で書いてます)
大門沢下降点からは永遠の下りに感じます(笑)体力的にどうという前に精神的にきます。そのような中で浮石の多い場所や岩や木の根の多い急坂、不安定な橋が連続するので集中力を保って歩く事が重要になります。

大樺沢は結構な量の残雪がありました。両俣分岐以降、左俣コースはアイゼンが必要になる状態でした。右俣コースは残雪はなく、完全な夏道です。稜線上もところどころ残雪がありますが、アイゼンが必要なレベルの場所はありませんでした。

 

2.レポート

1日目 (広河原ー北岳ー北岳山荘)

友人の車で朝5:00に奈良田の駐車場に到着。登山口のある広河原まではマイカー規制が布かれているのでバスに乗る。朝イチの便はバスが3台出るも超満員。それでも乗れなかった登山客の行列が残っていた。

広河原に到着。夜叉神峠側から来た人も合わさってものすごい人の数。ディズニーランドかここは(笑)

広河原からはくっきりと北岳が見えた。これからあそこに登るんだ・・・わくわくが止まらない!

登山のはじまりの橋。山に登る人にはおなじみですね。

分岐。今回は大樺沢方面へ向かいます。

水の流れのすぐ脇を通って進む。めちゃくちゃ涼しい。

景色の開けた場所に出る。堂々と聳える北岳がかっこいい。

 

 

二俣分岐。ここからは八本歯のコルへ行く左俣ルートと肩の小屋方面へ向かう右俣ルートに分かれる。

左俣ルートの大樺沢はまだまだ雪が残っていて雪上を登っていく事になる。上部は結構な傾斜なのでアイゼンが必要になる。下りは滑落の危険もあるのでピッケルが必要かも。

右俣ルートは完全に夏道。

右俣ルートに入って小さなはしごが出てきてからは本当に長い。

綺麗なお花畑の中を登っていく。うしろには鳳凰三山。

小太郎尾根分岐。いやー長かったー!ここからは稜線歩き。景色も良くなるので疲れも吹き飛ぶ。

鳳凰三山アップ。地蔵岳のオベリスクもちゃんと見える。

こんな素晴らしい景色の中を歩く。

少しずつ道は険しくなって両手を使って登る場面も出てくる。
鎖はかかってますが、使わなくても登れる程度の簡単な岩場です。

小太郎尾根と甲斐駒ケ岳。

肩ノ小屋。ここでちょうど標高3000m。ポカリスエットを買って山頂アタックに向けてのエネルギーを注入。

中央アルプスと駒ケ根の町を眺めるおっさん。背中が良い雰囲気出してたのでつい一枚撮ってしまった。

肩ノ小屋からさらに標高を上げていく。

岩場の影には力強く高山植物が咲いている。この姿をみると非常に元気づけられる。

最後はこんな道です。

北岳山頂(3193m)
登ってる間にガスってきてしまって眺望はほぼゼロ。間ノ岳方面の稜線がとてもきれいなので見たかったのだけど・・・残念だけどここまでいい景色を見られたからいいかな。

北岳山荘へ下っていく。ガスで回りが見えず、進む方向があっているのか不安になる。

北岳山荘に到着。ものすごい賑わいで、すでにテン場はあふれかえっていた。なんとかスペースをみつけテントを張る。

 

夜は間ノ岳方面に天の川がきれいに見えたようだけど寝不足だったので爆睡してた。起きて写真とればよかったー

 

2日目 (北岳山荘ー間ノ岳ー農鳥岳ー大門沢小屋)

朝3:00に起床。月が明るくて星は見えず。中央アルプス方面、駒ケ根の町の明かりが綺麗だった。

間ノ岳方面。日の出を見るためにみんな早朝から登っていく。

北岳方面。すでに山頂にいる人がいる。

明るくなってくると富士山のシルエットが浮かぶ。北岳山荘のテン場は富士山を見るには最高のロケーションだと思う。これ以上に素晴らしいテン場はないんじゃないかなってくらい。

しっかりと明るくなったところで出発。まずは間ノ岳を目指す。今日もいい天気だ。

北岳山荘から近そうに見える間ノ岳だが、歩いてみると意外と遠い。

稜線に咲くイワツメクサ

 

北岳山荘が標高約3000mだとして、間ノ岳との標高差は約200mしかないわけだけど、起きたての体で標高を上げていくのは結構大変。

中白根山。まだまだ序盤。

高山植物が満開の季節。3000m級の岩場とのギャップが何とも言えない良さを出している。

北岳も遠くなってきた。

間ノ岳(3190m)

奥穂高岳と並ぶ、日本第3位の高峰。北岳のピラミッドのような尖った山容とは相対してなだらかで女性的な印象を持つ山です。

間ノ岳から農鳥方面に足を向けたときに見えた景色。
雲海に浮かぶ大迫力の富士山。この縦走で忘れられない景色の一つ。

塩見岳方面の稜線。後ろには荒川三山 悪沢岳、赤石岳が続く。
去年荒川三山は天候不順で敗退してしまったのでリベンジの気持ちが高ぶる。

農取小屋へ向かう。この稜線がまた美しい。
北岳-間ノ岳の稜線と同じくらい素晴らしい。

ところどころガレていて神経使うところもあるけど、概ね歩きやすい。農鳥小屋は近そうに見えて結構遠い。

農鳥小屋。標高2804m
宿泊する登山者に強烈な印象を植え付ける事に定評のある山小屋。なんでも、トイレは一見の価値があるらしい・・・

ネットでは「素晴らしいレビュー」がたくさん書かれている農鳥小屋なので、勇気を出さないと泊まれないが、一度だけ泊まってみたい気もする・・・

農鳥のおっさんは噂で聞くよりは優しい感じで、登山者に道を教えたりしてた。でも、ハイマツが傷ついててぼやいてる場面もあった。

農鳥小屋で一呼吸置いたあとは再び3000mへ登り返す。

西農鳥岳(3051m)

3000m峰の大盤振る舞いだ!農鳥岳の前衛峰的な西農鳥だけど、実はこちらの方が標高が高い。

西農鳥から農鳥岳までは標高差はあまりないものの、少し面倒な岩場を越える事になる。上の写真で人がいっぱいいるところが農鳥岳。意外と平たい山頂だ。

農鳥岳(3026m)

これで白峰三山の全山制覇!お天気はここで力尽きてしまった・・・でも稜線の大部分を天気のいい時間帯に歩けたのだ満足だ。

農鳥岳で休憩。富士山も見納めかな。

農鳥岳からはひたすら下るのみ。まだまだ岩場もあるので気を抜かず。

稜線が名残惜しい。帰りたくない・・・でも温泉早く入りたい(笑)少しだけ雪の上を歩きます。

大門沢下降点

ここで稜線とはお別れ。まぁ、天気も悪くなってきたしここらが良い別れ時でしょう。さらば3000mの世界。

いやーな感じの雲がモクモクと成長しています。今夜は雨が降る予報らしいし、さっさと大門沢小屋まで下ってしまいたい。

ひたすら下る。蒸し暑いし、日焼けした肌に草木が当たって痛いし、とにかく長いし・・・後半は感情を失ってた。

そんなところに登場するこの橋。これを見た瞬間大きなため息がでた。

この橋、頑張って渡らなきゃいけないように思えるけど、橋の右脇を登ればかなり簡単にスルーすることができる。もちろん、沢の水量が多いときは橋を渡るしかないと思う。

疲れてると最善のルートを探す余裕が無くなってくる。大門沢小屋前後はこのような「不安定な橋が架かっているけど、回避できる」場所が何個かあります。この辺は橋に惑わされずよく観察して通る事を意識した方がいいです。

中抜けの橋。地味な嫌がらせ・・・

やっとの思いで大門沢小屋に到着。いやー長かった。

大門沢小屋も大混雑。テン場は既にいっぱいで、なんとか最後の一か所を確保した。小屋の真裏で落ち着かない・・・

すぐそばには水が流れているので、軽く水浴びをする。雪解け直後の沢の水は死ぬほど冷たい。

夕飯は隣にいたグループと山の話をして過ごす。ネットもつながらなくてやる事がないからこそ人との会話が増える。
山小屋のこういう過ごし方っていいよね。

まだ明るいうちにテントに入り、読書をして夜まで過ごした。日没のすぐあとくらいに就寝。

3日目 (大門沢小屋ー奈良田)

夜は予報通り雨が降っていて何度か起きた。朝まで雨が続いていたようだが、テントをたたむ頃には止んでいて助かった。

今日はいよいよ下山。気を抜かずに歩きたい。

しょっぱなから歩きにくい橋が登場。丸太に木の枝載せてるだけ・・・せめて平らに削ってくれれば・・・

途中は幾分歩きやすくなる。

と思うとまた橋があったり。

今までと明らかに違う雰囲気の端が出てきたら終わりが近いです。
この橋も見た目以上に危なっかしくてスリルあったなー

人工物が見えて少し安心感が出てくる。

最後の最後の橋。今までの橋とは比べ物にならないくらいしっかりしている(笑)
やっと「帰ってきた」気持ちになった。

登山口まで下りました。ここからさらに駐車場まで4kmちょっと歩く・・・

駐車場までは前を歩いてたグループとなんとなく合流して歩いた。その中に山と渓谷社の社員のおじさんがいて、彼と話しながら歩いた。さすがにその手の雑誌の会社なだけあってカメラや写真に詳しく、昔のカメラの話から色んなカメラマンのこだわりの話など、面白い話をたくさん聞けた。

奈良田で見かけたアジサイ。この時期でも満開。

そんな話をしている間にあっという間に奈良田の駐車場に到着。これで今回の縦走はおわり。

帰りは温泉に入ってからラーメンを食べる。でっかいバターのトッピングが堪らない!縦走を終えたからこそラーメンを最大限に味わう事ができる。

3.まとめ

2年前に北岳に登ってからずっと歩きたいと思っていた白峰三山縦走。天気の安定しないこの時期に、大変いい天気に恵まれて本当に最高でした。

高山植物が非常に綺麗だった事が印象に残っています。というのも、この時期に3000m級の山に登って経験が少なく、所謂山のお花畑をちゃんと見た事が今まであまりなかったからです。北岳の固有種であるキタダケソウが咲いていたらしいけど写真を撮り損ねてしまった。(キタダケソウだと思って撮った花が別の植物だった・・・)

登山口にたどり着くまでが大変な南アルプスですが、山の雄大さは他の日本アルプスに比べても一番だと思います。

まだ南アルプスの景色を見た事が無い人は、まずは是非北岳に登ってその稜線の景色を見てみてください。

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