熊野古道 中辺路を歩くために必要なこと 準備や日程など2017年3月8日

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2016年の年末、熊野古道を歩いてきました。

熊野古道や熊野本宮大社、那智大社は誰でも知っている有名な場所ですが、熊野古道を歩いた人はそんなに多くはないんじゃないかなと思います。

 

しかし、僕と同じようなモノ好きで「熊野古道を歩いてみたい!」と思っている人は実は結構いるんじゃないかと思います。

 

熊野古道を歩く方法として、一番簡単なのがツアーに参加する事ですが、やはり旅好きとしては独力で計画を立てて歩きたいものです。

そんな同志の為に僕が歩いた時に準備した事、感じた事を書いていきたいと思います。少しでも参考にして貰えれば嬉しいです。

 

ちなみに僕はまだ中辺路しか歩いた事は無いので、本記事は中辺路を歩くことに内容を絞って書いていこうと思います。

 

 

巡礼レポートは以下をご覧ください。

世界遺産の道 熊野古道 中辺路を歩く【巡礼レポート】

 

1.熊野古道とは

引用:熊野本宮観光協会HP http://www.hongu.jp/kumanokodo/

熊野古道は三重県の熊野三山(熊野本宮大社、那智大社、速玉大社)へ続く参詣道です。高野山から始まる小辺路、田辺から始まる中辺路、紀伊半島の南端を歩く大辺路、伊勢神宮から通じている伊勢路の4つの道があります。

その中でも中辺路は最もよく利用され、あの後鳥羽上皇も歩いたとされるメジャールートです。


本来、中辺路は田辺市街から続いていますが、滝尻王子までは古道らしい道は残っておらずほとんど舗装路を歩くことになってしまいます。

一般には田辺市街から少し内陸に入った滝尻王子からスタートします。

 

上の写真を見てわかる通り、熊野本宮大社までは山々が連なり、それらを超えていく事になります。大きな山はないですが、小さな山を登ったり下ったりするので、大きい山一つを登るより大変かもしれません。

集落らしい集落は中間にある近露1つしかありません。近くに国道311号が走っていますが、国道と接触することも少ないので日常の社会とは隔絶された静かな世界を楽しめます。

 

滝尻王子から熊野本宮大社までは37.7km。山道なので一日で歩くには少々厳しいと思います。途中の近露あたりで1泊して、2日間かけて歩くのが良いと思います。

 

2.熊野古道を歩くのに向いてる人

熊野古道の一部をチラッと歩くだけなら万人にオススメ出来ますが、2日以上に及ぶルートを歩くとなるとちょっと人を選びます。

 

①山が好きな人

熊野古道は基本的にずっと山道です。危険箇所や体力勝負の登りは無いので、山を歩くのに特別な技術や体力を持たずとも、慣れてる人だったら楽に歩けると思います。ただし、絶景を求めて行くとちょっと期待はずれかもしれません。山道と言っても稜線歩きではなく低山や峠をいくつも超えて行く感じなのでそんなに開けた景色は無いです。日本の田舎の素朴な景色、神社の雰囲気を感じながら歩くものです。

 

②真の日本を楽しみたい外国人

先にも書きましたが、熊野古道の旅は日本の田舎をひたすら歩き、文化を感じる旅です。道の上には所謂観光地的な物は殆ど無いし、わざとらしい田舎感を出した感じもなく、本当に普通の素朴な田舎という感じです。そういう意味では、日本の人にとっては目新しい景色は殆どないのですが、外国から来た人となると話は別です。僕が泊まった民宿も料理は普通の懐石料理だったし日本人と変わらないサービスが提供されます。

 

③信心深く、マジで巡礼しようと思う人

僕が言えることは何もありません。

僕が歩いた時、本当に修行中みたいな人が一人だけいらっしゃいました!

 

④camino de santiagoを歩いた人

camino de santiagoはユネスコ世界遺産に登録されている道の一つ。ローマやエルサレムに並ぶ世界的なカトリック教会の聖地Santiago de Compostelaの大聖堂を目指す巡礼の道です。言ってみれば、キリスト教版のお遍路みたいなものです。実は道として世界遺産に登録されてるのはCamino de Santiagoと熊野古道だけで、この二つを歩いた人は“Dual Pilgrim”として登録され、ピンバッジと証明書を貰えます。

実は僕が今回歩いたのもこれが目的です。熊野本宮大社の近くに、caminoを歩いた人なら誰でも懐かしくなる、見慣れたアレがあってちょっと感動します。笑

 

3.どんなところを歩くのか?

一番気になるのは「どんな道を歩くのか」という事でしょう。ここでは、中辺路のコースプロフィールと僕が歩いた時の写真で、熊野古道の様子を紹介したいと思います。

 

3.1 コースプロフィール

滝尻王子からスタートすると、最初からかなり急な登りになります。熊野高原神社あたりで平地になるものの、標高700mの上多和茶屋跡まではずっと登り調子。約600mの標高差を登りっぱなしです。近露からあとは長い登りもなく一見大したことなさそうに見えますが、小さなアップダウンが続いてさらに辛いです。三越峠を越えれば、あとは楽な道になるので、そこまでが頑張りどころでしょう。発心門王子以降は「THE 熊野古道」って感じのいい雰囲気の道が続いて楽しいです。

下記URL(熊野ツーリズムビューローのHP)にて非常によくまとまった地図が提供されています。

 

田辺市 熊野ツーリズムビューロー 古道マップ

 

距離、標高データから標準コースタイムまで、歩く計画を立てるのに必要な情報は大体載っています。実際に歩いた感触では、普通にのんびり歩いて記載のコースタイムと同じくらいになるかなーという印象だったので、ここに書いてあるデータを信じて計画を立ててよいと思います。

さらに、下記URLの「携帯電話通話可能ポイントマップ」には、電波の通じるエリアとコースプロフィールがまとまっているのでとても便利です。

 

田辺市 熊野ツーリズムビューロー 古道ウォーク

 

3.2 古道の様子

滝尻王子からスタート直後の急登

道中、巡礼者のための休憩所がある

頻繁に出てくる石畳の道。 登りは良いが、下りで濡れてると滑って歩きにくい。

山を越える道は普通に登山道

道の脇に立つ茶屋。何とも言えぬ安心感がある。

素朴な田舎の景色が美しい

神聖な巡礼の道にあるまじき卑猥なオブジェがあったりもする

低い山だけど、運がいいと雲海も見れる

終盤はとにかく石畳が多い

 

 

4.アクセス

東京駅から滝尻王子までのアクセスを紹介します。


まずは新幹線で新大阪駅まで移動します。ここで、特急くろしお(白浜、新宮方面)に乗り換えて紀伊田辺に行きます。ここまでの移動で5時間ほどかかるので、とりあえず紀伊田辺で一泊するといいと思います。

翌朝、紀伊田辺駅前のバス停から熊野本宮行きのバスに乗り滝尻王子に到着します。

 

ちなみに滝尻王子周辺には宿はないので関東から来る場合は紀伊田辺駅での一泊は必至です。

 

 

 

5.全部で何日間必要なのか?

自宅がどこにあるのかによりますが、スタート地点の滝尻王子まではアクセスも大変で、たどり着くのもそれなりに苦労します。

何日間使えばいいのか、計画する段階で結構悩みました。ここでは僕が実際に中辺路を歩いたスケジュールを紹介します。都内から向かう人は大体こんな感じになると思います。

 

 

場所 時刻 所要時間 路線
day1 東京駅発 10:10
2h30min 東海道新幹線
新大阪駅着 12:40 乗り換え35min
新大阪駅発 13:15
2h 特急くろしお
紀伊田辺駅着 15:22
紀伊田辺駅近くの民宿に宿泊
day2 紀伊田辺駅 6:35
35min 龍神バス(本宮大社行)
滝尻王子 7:10
4h50min
近露 13:00
近露の民宿に宿泊
day3 近露 7:30
5h30min
熊野本宮大社 15:00
1h30min 巡礼終了手続き&宿の送迎
川湯温泉 16:30
川湯温泉の民宿に宿泊
day4 川湯温泉 8:46
20min
熊野本宮大社 9:07 観光
熊野本宮大社 11:00
1h20min 熊野交通バス(新宮駅行)
新宮駅着 12:19
新宮駅発 12:44
3h25min 特急 南紀4号
名古屋駅 16:10
1h50min 東海道新幹線
東京駅 18:03

 

首都圏から中辺路を歩いて帰ってくるのに必要な日数はズバリ4日間です。頑張れば3日目で無理やり帰ってくる事もできますが、歩き切ったあとの余韻もクソもないので、まったくおすすめできません。

最終日、僕は川湯温泉に宿泊しましたが、その他の湯の峰温泉わたらせ温泉の方に泊まってもよいでしょう。

本宮大社の近くには宿がほとんど無くB&Bが一軒あるくらいなので、どこに泊まるのかよく調べておいた方がいいです。

 

 

6.装備

熊野古道というと、名前はとても有名なのでさぞ整備された道なのだろうと思う人も多いかと思いますが実際はそんな事ありません。一部歩道もありますが、基本的には登山道のような道です。歩く日程も1日では済まないので、天候が悪い可能性もあります。そんな事を考えると、登山をすると思って装備を整える事が必要です。必要な装備を一言で言えば、「夏山の小屋泊装備」です。

あった方がいい装備を上げればきりがないですが、まずは「登山の三種の神器」と言われる、ザック雨具をそろえましょう。

 

例えば天候がずっとよければ別にスニーカーでも歩けると思いますが、天気が悪かったり、天気が良かったとしても前日に雨が降ったりしていれば道はぬかるんで、非常に歩きにくくなります。よって、トレッキングシューズを履いて行くのが適切であると思います。

とは言ってもガチガチの登山靴が良いという訳でもありません。高価な登山靴の多くはテントなど重い装備を担いで歩くことを想定しているので、ソールが硬く作られています。山道だけならいいですが、熊野古道は舗装路や石畳もあるので、硬いソールの靴履いていくと足がかなり疲れます。

 

GORE-TEXが使われていて、日帰り登山やトレッキング用とされる軽登山靴を選択するのが一番いいと思います。この辺の事はアウトドアショップの店員さんに相談すればいい感じの一足を選んでくれます。

 

ザック

前泊、後泊の泊数にもよりますが、30~35Lのものを選べば大丈夫でしょう。日帰り~小屋泊1泊に必要とされる容量です。ザックの容量は本当に人それぞれで、登山でも小屋泊を20Lのザックとかで行っちゃう人もいれば、日帰りで40Lとか使ってる人もいるので、自分の持っていく荷物に合わせて選べばよいです。お土産で帰りに荷物が膨れる事もありますからね。

 

悪天候になる事を考えるとザックカバーも用意しておきたいところです。ただのザックのカバーのくせして、2000~3000円くらいして結構高いです。deuterのザックは最初からザックカバーがついてるのでオススメです。

 

雨具

雨具はアウトドアの必需品ですが、実は実用機会の少ないアイテムでもあります。なぜなら、基本的にアウトドアは天気のいい日を狙っていくからです。笑 おまけにアウトドアショップいってGORE-TEXの雨具くださいっていうと上だけで2万円するような、目玉飛び出る価格のものが出て来ます。使う機会が少ない上に値段が高いとなると買う気もなくなるんですよね。

 

でも実は、雨具はウインドブレーカーとしても使えます。というか、山登ってる人はむしろそのために持っていってるようなもんだと思います。実際使ってみると、雨が降っていなくてもとりあえず羽織っておくアウターに使えたりとか、かなり便利なので買っておきましょう。

お値段ですが、やっぱりGORE-TEXの雨具を買おうとすると高いです。しかし、最近は各メーカーの独自繊維を使った安価な雨具の選択肢がたくさんあるので、熊野古道の場合はそれでよいと思います。

 

安価で性能もいいと最近話題なのがミズノのベルグテックです。

 

熊野古道とはいえ、山の中で体が濡れると低体温性になる恐れがあり大変危険です。ここはケチらず、しっかりとした雨具を用意しましょう。

 

7.まとめ

ちょっとアクセスが大変で、お金も時間もかかってしまいますが、日本の文化と非日常を味わえる素晴らしいところです。僕は神社の参拝の作法など、これまでさっぱりでしたが熊野古道を歩いた事で1つ1つの作法とその意味を知る事ができました。こういう事って、テレビとかで見てもなかなか身にならないですが、熊野古道を実際に歩いて神社を参拝するといつもと違う雰囲気で、ちゃんと作法を覚えてみようかなという気になります。

 

知っていたようで知らない日本の文化や景色を教えてくれる そんな場所です。

 

こういうのは苦労して自分の力で成し遂げてこそやり甲斐があります。日本人なら是非一度、熊野古道を歩いて見てください。

 

世界遺産の道 熊野古道 中辺路を歩く【巡礼レポート】

 

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