Camino de Santiago day13-14 Santiago~Madrid2017年6月18日

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Camino de Santiago day12 Pedrouzo ~ Santiago de Compostela

 

 

昨日Santiago de Compostelaに到着し、スペイン滞在も残すところあと2日となった。夜に夜行バスにのってmadridに向かい、明日帰国する。
今日の予定はカテドラルのミサに出席するという大イベント以外特に予定が無いのでSantiagoの町を散歩しながらゆっくりと過ごしたいと思う。

朝、宿で知り合った日本の大学生とコーヒーを一杯。彼はこれから帰国するために空港に向かうのだという。
これまでの旅の話を聞く。浮浪者みたいなおっさんとチェスしたとか、Caminoを逆走してる人がいたとか、旅で会った変な人の話が楽しかった。

彼と別れたあと、昨晩泊まっていたアルベルゲに荷物を置かせてもらい、町を当てもなく散歩する事にする。

スペインの国営ホテルであるパラドール。ここは数あるパラドールの中でも最高ランクの五つ星だ。五つ星パラドールはここSantiagoとLeonにしかない。
お値段は以外にもバカ高いというわけではないらしい。まぁ、この旅で僕が泊まれる程安くはないのだけど・・・・

信号機はアニメーションになっててかわいい

路地から見えるカテドラルが良い雰囲気を出してる

まさか世界的キリスト教の聖地で招き猫を見るとは!!!

十分に暇をつぶした後は今日のメインイベントであるミサに出席する。
カテドラルの中は大きなザックの持ち込みは禁止。巡礼者はどこかに荷物を置いて入る必要がある。テロ対策とかかな。
昨日夕飯を共にした例の「練馬」の文字の主はこのミサを「卒業式みたいで退屈」といっていた(笑)
このミサをもって僕も巡礼者を卒業するようなものだし、「卒業式」っていうのは確かにそうかもしれない。

ミサの時間になると人が集まってきて席はいっぱいに。僕の隣にはスペインの学生たちが座ってきて狭苦しい状態。

ミサが始まる。英語でもしゃべってくれるので内容は聞き取ろうと思えば聞き取れるけど、そもそもキリスト教とかよく分からない自分には何を言ってるか分からなかった。パイプオルガンの音色を聴きながら今までの巡礼の事を思う。

このSantiagoのミサでは「ボタフメイロ」という儀式がある。かつての巡礼者はSantiagoにたどり着いたとき、それはそれはひどい悪臭を放っていたようで、それを清めるために大きな香炉を頭上で振り、身を清めるという儀式だ。これは現在でも行われているものの、毎日行われているわけではない。キリスト教の重要な日とか、ある程度の寄付が集まった日だけ行われる。

なんとこの日は運よくボタフメイロを見ることができた。多分、旅の途中で出会ったスペインの学生の団体が寄付をしてくれたんだと思う。うるせえうるせえって言ってたけど、このときばかりはとても感謝した。

上の動画は始まってから序盤。ボタフメイロは以外にも豪快で、カテドラルの中の端から端まで届くんじゃないかという勢いで香炉を振り回す。厳かな音楽をバックに豪快に香炉を振り回す様子は圧巻だった。ミサの出席者もたまらずカメラを構えていた。

ミサが終わった後はカテドラルを見てまわる。

金ぴか。なんだかお寺みたい。中心に仏さまいても多分違和感ない(笑)

ボタフメイロの煙が光を受けていた

ミサが終わった後も何かを思う人たち

撮影禁止だったので画像を載せられないが、あの金ぴかの中にヤコブの像があり、その像に触る事ができる。ヤコブの像に抱き着き巡礼の終わりを伝えるのがSantiagoへの巡礼の通例だ。僕も列に並び、ヤコブの像を抱いてきた。キリスト教じゃないから特別な感情は抱かなかったけど、「これで終わったのだ」という気分になった。

ミサが終わった後は昼食をとった。レストランで旅の序盤に会った韓国人のカンさんと再会、一緒にいた韓国の人たちと閑談した。

chocolate con churros

もう町はまわりつくして暇なので昼食をとったあとはBARに行っておやつタイム。朝一緒にコーヒーを飲んだ日本の大学生に教えてもらった”chocolate con churros”を頼んでみる。カロリーをカロリーで塗りたくったような最強のお菓子。ただでさえ甘いチュロスをホットチョコにつけて食べる。めちゃくちゃ甘くて美味しい。スペインに行く人は是非食べてみてほしい。

その後、旅の途中で出会った人と再会して話したりして過ごした。Santiagoに到着してすぐに帰るという人は少ないので、同時期に歩いていた人は大体Santiagoで再会する。お互いに到着を喜ぶ瞬間がとても嬉しい。

気が付くと夕食の時間になった。今夜の夕食の場所は決まっている。あの五つ星パラドールだ。

実は、Santiagoのパラドールには毎日巡礼者に対して無償でまかない料理を提供してくれるという風習がある。パラドールの近くのある場所で待っていると従業員が現れ、巡礼者用の食事部屋へ案内される。

パラドールの中へ。綺麗な中庭。

巡礼者用の食事部屋

こんな感じの小さな部屋に通される。アメリカ人夫婦、ドイツ夫婦、あとはLeonで最初に出会いSantiagoで再会した日本人のカップルも一緒に来ていた。

食事の内容は毎回違うらしい。肉が出てくる事もあるという。この日はサラダとトルティージャとパン、ヨーグルト。ワインは飲み放題。

まかない料理とはいえ五つ星パラドールのご飯を食べる事ができる。一緒にいたみんなも、乞食をしに来たというよりは「こんな貴重な経験めったに無いからね」といって来ていた。
結構な量があったのでお腹いっぱいになった。これが今回の旅で最後の夕食。これ以上にないこの旅を締めくくるにふさわしい夕食だった。

 

食事を終えてみんなに別れを告げる。外に出ると暗くなっており、いよいよSantiagoを離れる時がきた。

夜9時半。ALSAのMadrid行の夜行バスに乗り込む。バスは高速道路に乗るまで巡礼路を通って町を出ていく。その景色と歩いていた自分の記憶を重ねながらSantiagoを離れた。

長い長いバス旅を終え、Madridに帰ってきた。

夕方の飛行機に乗るまでかなり時間があったので、あてもなく町を散歩することにした。

初日に行けなかった場所に行き、ぼーっとしてはまた別の場所に行き・・・というのをくりかえす。今までいた巡礼の世界とのギャップに心の中にぽっかりと穴があいた感じだったけど、最後に見るスペインの町の景色をしっかりと目に焼き付けておいた。

飛行機の時間がやってきて空港に向かう。まだスペインにいたいという気持ちは強かったが、「やりきった」というすがすがしい気分でもあった。

「金さえあればまた来れる」と自分に言い聞かせて名残惜しくも日本に帰国した。

 

最後に

軽い気持ちで始めた巡礼の旅でしたが、予想もしなかった出来事や出会いがあり、「スペイン」という国を楽しむ以上の体験ができました。もちろん、数百キロの長距離歩くという決して楽ではない旅ですが、それゆえにほかの巡礼者と助け合い楽しく過ごす事が出来たと思っています。

「人生観が変わった」なんて事は一切ないですが、様々な国の人と交流し、心が通じ合ったと感じたことは僕の「外国人」に対する見方を大きく変えました。街や旅先で外国人とあっても、普通に話せるようになりました。(英語がうまくなった訳ではない 笑)
スペインの自然と景色、地方の人々の生の暮らしに触れるという僕が望んでいた事を実現できた素晴らしい旅でした。

 

多分これからの人生で少なくともあと一回はCamino de Santiagoを歩くことになると思います。その時を楽しみにしながら、色んな旅を続けていきたい。

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Comments

  1. コム より:

    2019年に熊野古道を歩く計画を立てている中でこの記事に出会いました。
    道の写真が素敵だし、アルベルゲの様子も伝わってきて、自分もいつかは2つの道を踏破したいとウズウズさせられました!
    雪も残る季節、一眼を携えての巡礼お疲れさまでした。

    • hiko より:

      全部読んでくださったようでありがとうございます!

      熊野古道を歩かれるようでしたら、是非そこで使った巡礼手帳を持ってカミーノを歩いて見てください。
      きっと人生の思い出になります!

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