Camino de Santiago day9 Portomarín ~ Casanova2017年4月23日
前記事:Camino de Santiago day8 Sarria ~ Portomarín
スペインの学生の団体で騒がしかったPortmarinのアルベルゲだったが、部屋には学生たちはいなかったので夜はゆっくり眠れた。学生たちと同じ時間帯に出発するとロビーが混乱すること間違いなしだったので、恐らく宿泊客の中で一番早く出発。
しかし、あの学生たちともう一緒にはなりたくないなぁ・・・泊まる宿を選ばなければなぁ。そうすると安いmunicipalのアルベルゲには泊まれないのか、うーん・・・・
外はまだまだ暗い。
町をでるときの道が少々わかりにくかったので、他のアルベルゲに宿泊してたらしき多国籍グループの助けをもらいながら歩いた。
彼らのうちの一人が1度Caminoを歩いた事があるらしかった。
目に入るものは橋と川と木々。日本で自転車ツーリングをしていたときと同じ景色なのだけど、なんだか雰囲気が違う。この差は何なんだろう。なんかこう、一つひとつのもののちょっとした違いが景色の印象をつくっているんだろうね。
橋を渡ってすぐの分かれ道で、今まで見たことのない道標に出くわす。
どっちに行けばいいのこれ!!!
我々巡礼者にとって、道に書かれている黄色い矢印は神様なのだ。道の上ではたぶん十二使徒のヤコブよりも、キリストよりも偉い唯一神である。
それが2つもあると途端に混乱する。多分どっちも正しいのだけど、どっちが最良なのか。。。
右の道標は”COMPLEMENTARIO”と書いてある。スペイン語の単語は、語源が同じなのでしばしば英語の単語とスペルが似てる。
多分これは英語でいう”complementary”の事だ。補足とかそんな意味だった気がする。おそらくサブルートだか、迂回路みたいなもんなんだろう。
そんな考察をしたけど自信が持てず、「とりあえず距離のかいてある方がベーシックっぽいし間違いないだろう」と思って、左に進む事にした。
霧は一向に晴れる気配がない。今は多分、右手に川を見ながら歩いているはずで、きっといい景色が見れたに違いない。残念・・・
大きな道路にでる。時々バカデカいトラックが通過していく以外はとても静か。
しばらく歩いていると分かれ道が。
またお前か!!!
残り距離が100kmを切ったところで途端に試練を与えてくる!そうは簡単にSantiagoにはたどり着かせてはくれないというわけか・・・
まぁでも、ここはとりあえず距離表示のある方に進んでおきます。
ちょっとずつ標高が上がっていってる気がするんだけど、霧が濃くてまったく分からない。
毎朝霧が出ていて、10時頃には晴れるパターンが続いてたから今日もそうなるんだろうけど、ここまで何も見えないとさすがに不安になってくる。
12kmほど歩いた。古い道標を見つける。
落書きだらけでグチャグチャだなぁ(笑)色んな言語で書かれていて殆ど読めないけど、今の思いとか書いてあるんだろう。書きたくなる気持ちは分からなくもないなー。ちょっと品が無い気もするけどね。
次第に霧が晴れ、田舎の景色が見えてきた。
滅茶苦茶腹が減ったのでここらで軽く食事をとることにした。
今日もお決まりのcafé con lecheを飲んでいると、後ろからキモが追い付いてきた。酒にあまり強くないと言っていたのに真昼間からビールをキメ始める。その後、一瞬だけ一緒にあるいてたアメリカ人のおっさんも合流する。
おっさんはドイツ生まれで、若いころにアメリカに移住したらしい。同じ世界遺産の道である熊野古道の話になった。日本人はあまり認識していないけど、熊野古道は巡礼者の中では結構な知名度があるらしい。
あとはカメラの話もした。僕のフルサイズのデカい一眼を見ると、ソニーのコンデジRX100を見せて
「こいつは小さいけどとてもいい。星だって撮れるんだ。」
と言ってた。そんなん知っとるわ!という感じだったけど、日本の製品が褒められるのは嬉しい。世界のソニー万歳!
ここからはキモと歩くことにした。
北海道富良野にあるジェットコースターの道に似てるところがあった。長い直線のアップダウンが続く。
そういえば、ガリシアに入ってからよく上の写真のようなものを見かける。民家のすぐ脇にある事が多い。なんとなく、日本的な作りのようにも見える。
後で調べると、これは”Hórreo”(オレオ)という作物などを保管しておく昔ながらの貯蔵庫らしい。高床になっていて、ネズミ返しのようなものもついている。
25km歩いた。Palas de Reiの町に到着。
なんだか活気がない町だ。
25kmはノルマクリアだし、キリもいいのでここで泊まってもいいんだけど、なんとなくもうちょっと歩いてみたい気分だったので、先に進むことにした。
が、ちょっと誤算だった・・・
Palas de Reiから先、アルベルゲがいくつもある事を知っていたんだけど、どれも閉まっていた。O’Cebleiroから下りてきたときと同じパターンになってしまった。
結局6km弱歩く事になり、Casanovaという家が数件しかない小さな集落のアルベルゲに転がり込んだ。
municipalのアルベルゲ。宿のオーナのおばさんはなんか仕切りに電話してた。
この宿には僕の他にはフランス人のおばさん1人しかいなかった。オーナーはずっと電話してて英語も通じないので、洗濯機の使い方やキッチンの器具など、フランス人と試行錯誤しながらなんとか宿の設備を利用した。
そういえば、この旅でフランス人と話すのは初めてかもしれない。フランスはすぐとなりの国なんだから結構いそうなものだけど。
宿のベッドにはいると、ベッドに落書きが。きっとしょうもない事、時には下ネタとか書いてあるんだろうけど、こういうのってなんとなく良いよね。
この日の歩行距離は30.7km
残りの距離に対してちょっと歩きすぎた感があるけど、余裕ができる分には問題ないでしょう。
残すところ、あと3日ほどの距離となった。どうやらいよいよ明日は天気が崩れるらしい。
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