南アルプス 仙丈ケ岳 日帰り登山2017年7月9日

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今年の夏山初めという事で南アルプスの仙丈ケ岳に登ってきました。梅雨のこの時期、休日も天気が悪く山屋にはストレスのたまる日々が続きますが、この日はいい天気に恵まれました。

仙丈ケ岳は標高3033m、南アルプスの北部に位置する山です。近くにある鋸岳や甲斐駒ケ岳のような急峻で荒々しい山とは対照的に、穏やかな山容を持っていて「南アルプスの女王」と呼ばれています。

南アルプスにはピークに至るまでに一泊が最低必要な山が多い中で、仙丈ケ岳は日帰りで登れる3000m峰という珍しく貴重な存在です。

 

1.ルート

今回は北沢峠から日帰りで登るルートです。

北沢峠から5合目の大滝ノ頭まで登り小千丈ヶ岳方面のルートに進みます。仙丈ケ岳に登頂したのち千丈小屋から馬の背ヒュッテ方面に向かい、大滝の頭からは元の道で下ります。

標高差は約1000m。多すぎず少なすぎずのちょうどいい登りです。全体通して急な勾配の変化が少なく、非常に歩きやすいです。岩場はほんの一瞬しかなく危険度も極めて低いです。

注意する点は千丈小屋からの下りの残雪区間と馬の背ヒュッテ以降の渡渉です。

・残雪区間
この時期、まだ残雪があり一部雪の上を歩くことになります。急な斜面で雪が残っているわけではなかったので、さほど危険ではないですが、滑らないように注意が必要です。ストック持ってると歩きやすい。

・渡渉
馬の背ヒュッテの直後で沢を跨ぐことになりますが、残雪の影響でルートがわかりにくくなっていました。さらに、これから雪解けが進むとルートの雪が崩れて川に落ちることも考えられるので気を付けて歩く必要があると思いました。また、雪解けが急速に進んでいるので水量も多めなようでした。

2.レポート

早朝に友人の車で仙流荘へ移動し、5時過ぎに到着。ついた頃には既にバスを待つ行列が作られていた。

ここから登山口のある北沢峠までバスで向かうわけなのだけど、バスの運営が非常に良かった。登山をしていると登山口までバスで向かう事はよくあるけど、大きなバスにまるで奴隷船のように人が詰め込まれて結構大変な思いをする。今回はマイクロバスを数多く出すというスタイルで、みんなが座ることができたし、運営の手際も良かった。

仙流荘から約1時間、北沢峠に到着。ここから約1000m登って仙丈ケ岳を目指す。
ちなみに北沢峠は甲斐駒の登山口にもなっています。バスの乗客の分かれ方は半々くらいだったかな。

原生林の中を登る。森林限界を目指しながら原生林の中をひたすら登るのも南アルプスの魅力。

 

大滝ノ頭に到着。コースタイムの半分ちょっとの時間で登れた。結構コースタイムが緩いのかな?
ここは小仙丈ケ岳に向かうルートと馬の背ヒュッテに向かうルートの分岐になっています。
今回は小仙丈ケ岳のルートを登りにとる。

標高2700くらいになるとハイマツ帯になって景色が一気に開けてくる。

甲斐駒ケ岳。岩々しい感じがかっこいい。いつか黒戸尾根から登りたい。

鋸岳。その名の通りの鋸型の形をしてる。これもあこがれの山。岩場の練習たくさんやったら登りたいな。

何度も振り返って甲斐駒と鋸岳を見ながら進む。左側には北岳と間ノ岳も見える。

小仙丈ケ岳。標高2864m。かなりあっという間だった。ここにくると仙丈ケ岳の山頂が姿を見せる。

小仙丈ケ岳でもすばらしい眺望。もうおなか一杯になってきた(笑)

小仙丈ケ岳から仙丈ケ岳までは100mちょっとの標高差と小さなアップダウンがあるだけなので、ここからは散歩気分で歩けます。

小仙丈ケ岳を振り返る

縦走をしている訳ではないのに、稜線歩きをしているような感じになる尾根。

仙丈ケ岳(3033m)登頂!

山頂から仙丈小屋を見下ろす。千畳敷カールと同様のカール地形。

山頂でゆっくり昼ごはんを食べているとモクモクとガスが湧いてきてあっという間に視界を奪われてしまいました。
さっきまでの天気はいったいなんだったのか・・・梅雨の時期は湿度が高いから、山では雲も発生しやすいので仕方ないですね。

景色の見えない山頂など、長居する意味はないので下山を開始します。千丈小屋。

トイレにいってから登山バッジを購入。
登山バッジが\600のものと\800のものがあって、高い方はめちゃくちゃカラフルだった(笑)

残雪は思った以上に多かった。急な下りではないのでゆっくりと下れば問題ない。

霧が濃くて周りの景色が見えないので、これだけ見ると雪山に来たかのような感覚になる。

馬の背ヒュッテで少し休憩。建物が比較的新しくて綺麗な山小屋でした。

トラバースルートに入る前の渡渉ポイント。川を渡ったのち雪の上を歩く事になる。
僕が歩いたときは雪はしっかりしてましたが、これから先雪解けが進むと注意が必要です。雪の下が空洞になっているのでズボっと踏み抜いて落ちる可能性があります。

ひたすらトラバースをして大滝の頭に戻る。

バスの時間に余裕をもって北沢峠に戻りました。大滝の頭から先は一度登った事のある道なので非常にスムーズだった。

バスに乗って仙流荘にもどる。日帰り入浴の施設があるので、バスを降りたらすぐにお風呂へ。
その後、茅野でラーメンを食べて帰りました。

3.まとめ

梅雨空が続いて山に登れず、フラストレーションを感じている中で天気に恵まれ、良いコンディションで登る事ができて非常に満足でした。下りはガスってしまいましたが登りでいい景色をたくさん見れたので悔いはありません。

僕が今まで登った3000m級の山の中では、中央アルプスの木曽駒ケ岳についで手軽に登れる山でした。これはもう「お手軽3000m峰」に認定して良いかと思います(笑) とても歩きやすかったというのが一番の印象です。程よい一定の勾配が続くのでペースをつかみやすく、誰でも快適に登る事ができると感じました。初めて3000m越えをしようと思っている人にもオススメできます。

雪山も楽しいけど、やっぱり夏山の少し賑やかな雰囲気もいいものですね。もうすぐ梅雨明け、次はテントを持って縦走登山を楽しみたい。

 

 

梅雨明け間際の南アルプス 白峰三山縦走 2泊3日

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