北アルプス 燕岳(残雪期)2016年5月23日

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GWの真っ最中、まだまだ雪の残る北アルプスの燕岳に登ってきました。今回の登山の位置づけは来る残雪の穂高に向けた雪上歩行練習&のんびり小屋泊登山。

燕岳は「北アルプスの女王」と呼ばれ、美しい山容を持つ非常に人気の山です。穂高連峰や劔のような険しい岩のイメージとは違って、比較的穏やかな登山道で夏山冬山共に北アルプス入門の山とされているようです。

今回は「北アルプス三大急登」と言われるメインルート合戦尾根のピストンです。標高差1,243m。

GWということで、往路はムーンライト信州を使いました。深夜に八王子を出発し、早朝に穂高駅に到着する。
この電車、普通の快速電車という扱いなので通常の運賃に指定席券525円をプラスするだけで乗れるので超安い。まぁ寝るにはちょっと窮屈な座席ですが・・・

中は登山者でいっぱい。

定刻通り穂高駅に到着。ここから登山口の中房温泉へはバスで移動する。

 

登山口に到着。GWで人で溢れかえってるかと思ったけど、そうでもない。さすがにまだ雪山シーズンだからかな。
ゆっくり朝食を済ませ、登山計画書を提出していざ出発!

 

 

まずは夏道を登る。日が昇ってきて暑い。すぐに半袖一枚になる。初っ端からなかなかの急登。北アルプス三大急登がさっそく牙を剥いたか!?

 

第一ベンチ
ここには水場があるので、水を補給したい人はここがポイント。

 

 

 

第二ベンチを過ぎたあたりから雪が出てくる。まだアイゼンつけるほどでもないので、ノーアイゼンのキックステップで登る。

第三ベンチ

富士見ベンチ
このあたりから雪の量が増えて安定して雪道になってきたのでアイゼン装着。

 

 

一か所だけ雪がなくて岩場を登らなきゃいけないところがあった。
アイゼン外すのも面倒なのでそのまま登る。アイゼンと岩がこすれるギリギリという、いやーな音がします。

たまーに急登。しっかりアイゼン効かせて登ります。

ポカポカ陽気の雪山ハイク、気持ちいいいいい

 

雪山ハイクを楽しんでいるとあっという間に合戦小屋到着。
夏にはスイカを食べることができるらしいっすね。この時期は飲み物くらいしか売ってませんでした。

小屋の前にはベンチとテーブルがあるのでゆっくり休む事ができます。
トイレもあり!

このルート、北アルプス三大急登とか言ってたから一応構えて登り始めたけど、途中ベンチのある休憩ゾーンたくさんあるし、合戦小屋のトイレや売店もあるし、快適なことこの上無し。勾配もまぁ普通の登山道レベルだし、これを北アルプス三大急登と言ってよいのか疑問だ。標高差が多少大きいからそう言われてるのかな?

合戦小屋からはストックからピッケルに持ち替えて登っていきます。ここからは割と急な登りになります。滑落のリスクはほとんどないので、恐い箇所は無し。

 

稜線に出た。途端に強烈な暴風に襲われる。もう、ほんとに真っ直ぐ立っていられない。

風に耐えては写真を撮り、少し歩いてまた風に耐えるという動作の繰り返し。
まさか耐風姿勢を実践することになるとは思わなかった・・・

 

風は強くても景色は最高。やっと日本アルプスらしい景色になってきたぞおおお

稜線は槍ヶ岳の最高の展望スポットでもある。写真で見るより実際はもっと大きく見える。

さあ、今夜の宿もすぐそこだ!

ご丁寧に100m前の標識

燕山荘到着!
今夜はこちらで一泊。さっさと受付を済ませて燕岳山頂に向かいます。

山小屋の玄関を出ると、そこには燕岳の山頂がその姿を見せる。
なんて美しい山容なんだろう。雄大さと美しさを兼ね備えたこの山は、まさに「女王」の名を語るに相応しいと思う。
なぜこれが百名山に入ってないのか。日本で片手に入るくらいの美しい山じゃなかろうか。

さて、山小屋から山頂へ向かいます。山小屋の人に話を聞くと、山頂まではアイゼン無しで行けるようです。コースタイムは30分ほど。

イルカ岩。これ絶対人口だろ・・・って思うほど見事にイルカだ。

 メガネ岩

左手には北アルプスの名峰が壁のように並び立つ

ライチョウに会えるかなーと思ったけど、風が強すぎるせいか会えなかった・・・今回の楽しみの一つだったのに・・・・

燕岳山頂(2,763m)到達!

ずっと眺めていたくなる景色なんだけど、風が強くてまともに立っていられない。もったいないけど、ささっと写真を撮って撤退!

山頂から燕山荘。1/3くらい雪に埋まってるかな。

山小屋まで戻ってきました。目の前にベンチがあってあそこで飯くったらさぞ美味いだろうなぁ と思うんだけど、この強風じゃ無理だ。

寝室にはストーブが焚かれていて風で冷えた身体が温まる。

そうそう、この燕山荘、非常に評判のいい山小屋なんです。
受付とかiPadだし、ケーキも食べられる。売店の品ぞろえは観光地かと思うほど。
玄関の写真撮り損ねたけど本当にすごいもんですよ。

全国トップクラスの人気を誇る山小屋だと聞いてどんなもんかと思ってたけど、その評判は伊達ではなかった。

炊事場に向かう階段。なんだこれ、新築の家か!?!?

中でも驚いたのが、思わずトイレでシャッターを押してしまったコイツだ。山小屋のトイレにダスキンの便座クリーナーだぜ・・・駅のトイレより数倍レベル高いぞ

今夜の寝床。GWとあって割と山小屋もにぎやかではありましたが、燕山荘の600人のキャパを埋めるほどではなく、1スペースまるまる使用できる事になりました。本来ここには4人が寝るはずのスペースです。
ちなみに照明はLEDだ。

日が落ちるまでは写真撮影。

表銀座ルートと槍。

何度シャッターを押しても飽きないこの景色。

夜。せっかく山に来たので星空撮影でもしたいところでしたが、風が強すぎてそんな気は全く起きず。窓から見える綺麗な里の夜景を楽しみ、周りが寝始めるタイミングで就寝。

翌日。

朝起きると雨が小屋の外壁を叩き付ける音がする。酷い暴風雨。
前日の夜から雨が降る情報は得ていたので、ご来光を見ようとも思わなかった。

少し時間がたつと晴れるとの事だったが・・・

お?・・・・

おおおおおお
晴れだああああああ

昨日も稜線歩いてるときから曇ってきてたから、すっきりとした晴れはとてもうれしい。

晴れた空の下に燕岳。
やっぱり青い空をバックにした方がこの山はきれいだ。

天気が安定してきたところで下山を開始。午後にはまた天気が荒れるとの事だったので、この綺麗な空の時間帯に下ってしまおう。

里を見下ろしながら尾根を下る。
相変わらず風が強いのでよろけないように確実な足取りで。

 

夏道に戻る。
一晩でかなり雪が減った気がする。雨が降ったし、気温も高くなかったからか。

帰ってきました。中房温泉。
お疲れさまでしたー

帰りも行きと同じくバスで穂高駅に。

帰りは松本で友人と会い、ロイホでお食事。互いの旅の話をし合うというのはとても楽しく話も尽きないもので・・・
さっきまで雪山歩いてたのにロイホで食事というギャップがまた楽しいw

諏訪まで送ってもらい、その後はスーパーあずさで八王子までひとっ跳びしました。

燕岳は本当に快適な山行ができる山だと感じました。山の美しさもさることながら、非常に過ごしやすい山小屋もあって、山のいいところを存分に味わえる場所だと思います。

今度は表銀座縦走に挑戦してみたいものです。

・おまけ
燕山荘のゆるきゃら?

 

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