Camino de Santiago day12 Pedrouzo ~ Santiago de Compostela2017年5月13日

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前記事:Camino de Santiago day11 Arzúa ~ Pedrouzo

いよいよ訪れてしまった最終日。朝起きて窓の外を見ると小雨が降っている。最後は晴れた天気の中を歩きたかった。

Santiagoまでは約20km。普通に歩けば正午には到着する。短い時間だけど一歩一歩踏みしめながら歩いていきたい。

歩き始めはまだまだ田舎の景色だけど、数km歩くと空港や企業の建物が出てきてだんだんと経済活動の香りが漂ってきた。

Santiagoまであと十数キロという距離だからか、今まで歩いた日の中で一番巡礼者が多い。

あの修学旅行中(?)の学生たちに加えて、別の学生の団体もいたし、今までに見かけなかった4~10人規模の集団もいた。

2日前とか、殆ど人と会わなかったというのに、この人たちはどこから湧いてきたのか・・・・

 

道路の下をくぐるトンネルにはホタテ貝マークが

これまでいくつの町や集落を通過したことだろうか。廃村寸前の村や旅情緒あふれる町、非現実感を感じる一方でスペインの生活を垣間見る事ができた。色々な町を訪れるときがこの旅で好きな瞬間だった。

Santiagoは丘を越えた先にある。この丘は巡礼者が、目的地であるカテドラルを初めて目にする場所だ。(O’cebreiroからも見えるらしいけど)

おととい一緒のアルベルゲに泊まったフランス人はそこで一泊してからSantiagoに向かうと言っていた。巡礼の最後の夜をSantiagoの夜景を見ながら楽しむのもいいかもしれない。

その丘にむけて緩やかに登っていく。

Monte do Gozo に到着。ここがガテドラルが見える丘だ。Santiagoまで残り5kmの場所に位置する。

ここは「歓喜の丘」と呼ばれている。長い道のりを歩いた巡礼者が丘に登り、Santiagoのカテドラルを間近にみて歓喜の声を上げるのだという。

僕はその「巡礼者」なのだが、ここに着いた瞬間思っていたことはこれだ
早くゴールしたい・・・

 

僕もここからカテドラルを見て喜び涙を流したかったが、これが現実だ(笑)

まず、天気が悪すぎてカテドラルなんか見えやしない。加えて、なぜかここに来て足の疲労感がドッと出てきた。ここ数日距離を減らして休みまくってたというのに・・・

雨だって今朝より強くなった。あとお腹すいた(笑)

こんな状態で喜ぶ余裕がある訳もなく・・・

 

この歓喜の丘ではもっとエモーショナルな気分になるものと今まで思い描いていたけど、現実はこんなものだった。

 

さぁ、歓喜の丘を下ればいよいよSantiago de Compostelaの市街地に入る。

遂に!遂にSantiago de Compostelaに到達した!

ついさっきまで「早く終わりたい」なんて思ってたのに、この”SANTIAGO de COMPOSTELA”の文字を見た瞬間、急にエモーショナルな気分になってきた(笑)

この文字の前で、今まで辛かったことや楽しかった事を思い出しながら数分立っていたのを覚えてる。

今まで、残りの距離を見てもうすぐ着く事を分かってはいたけど、本当に終わりを実感したのはこの瞬間だった。

本当の終わりはカテドラルなので、少し寂しい気持ちになりながらトボトボと歩く。

 

カルフール サンティアゴ店。幕張に昔あったなー。

大きなデパートもあって、都会です。

 

大きな通りを歩いていくと、やがて旧市街地へと入る。

道は全面畳となって雰囲気もそれっぽくなってくる。

“Europe was made on the pilgrim road to Compostela.”

この文がラテン語、イタリア語、フランス語等々ヨーロッパ各国の言語で書かれている。さすがに日本語はありませんでした(笑)

 

アニマス礼拝堂。入口にある彫刻が印象的。

 

小さな路地に入ると遠くに大きな塔のようなものが見える。カテドラルだ。

あと数百メートルだろうか。永遠とも思えたCaminoがついに終わる。

Santiago de Compostela大聖堂 ”Catedral de Santiago” に到達!

Leonから約300km、山を越え町を抜け、ついにたどり着いた。達成感がじわじわと湧き上がってくると同時に「もう歩かなくてよいのだ」という安心感と「もっと旅を続けたい」という気持ちが出てきて、なんか複雑な心境だった。

そんな僕に神が祝福をしてくれているのかさっきまでの雨が嘘のように晴れ間が見えてきた(笑)こんなことってあるんだね・・・それはそうと

 

めっちゃ工事中じゃんか!!!(笑)

 

なんか張りぼてみたいなの貼られてるしwまぁ、工事してる事は知ってたけどね。

10世紀から建設されたこの大聖堂は改修を繰り返して今に至る。ちょうどいまがその改修の周期なのでしょう。ちなみに工事の完成は2020年になるらしい。これほどの大規模な歴史的建造物だし、長い時間がかかるのは仕方のないことでしょう。

さて、これから巡礼者事務所で巡礼証明をもらったりカテドラルでミサに出席したり今日泊まる宿を探したりとやる事が色々あるのだが、とりあえずは巡礼者事務所を探しつつ余韻に浸りながら町を見てまわる事にした。

陽気なバグパイプの演奏

Santiago de Compostelaはスペイン有数の観光地だ。以前の記事で「スペインでは日曜は街が死んでいる」と言ったが、さすがに一大観光地となると話は違うようだ。天気悪い日もたくさんの人で賑わっている。

日本人のツアー客も大勢見かけた。卒業旅行なのか、大学生がはしゃぎながらカテドラルをバックにピースサインで写真を撮っている。

 

そんな中、ぶらぶらと街を歩いているとPortmaínで会ったケン君とフランチェスコに再会!

「サンティアゴへようこそ」と歓迎してもらい、抱き合って再会を喜んだ。

巡礼事務所を探しているというと、「そんな事はいいから飯に行くぞ!」といわれ、昼食をとる事にする。

 

彼らと数人の巡礼者と一緒にタパスのお店へ。そういえばスペインに来てからピンチョスを食べた事が無かった。前々からワインを飲みながらピンチョスを食べたかったのでとても嬉しい。

旅の終わりの一杯を飲む。今まで赤ワインばかり飲んでたが、今回は気分を変えて白ワイン。ワインを口に含んだときが至高の瞬間だった。

 

彼らはみんな一緒のアルベルゲに泊まっているらしく、「よかったら僕らの宿に来なよ」と言ってくれた。なんと、先日まで一緒にあるいていたキモもその宿に泊まっているという。

他を探すのも面倒だったので、ありがたく一緒の宿に泊まる事にした。

 

食事を済ませ、彼らと別れた後は巡礼証明をもらいに行く。

巡礼事務所も神聖で厳かな雰囲気。

巡礼証明書

 

案内板に従って受付に行き、クレデンシャルを提出する。徒歩で100km以上歩いてSantiagoに到着した事を証明する証明書が無料で発行される。クレデンシャルには巡礼終了のスタンプが押される。

3ユーロの有料だが、距離証明というものももらえる。せっかくなので貰っておく事にした。LeonからSantiagoまで、オフィシャルでは311kmということになっているらしい。

 

こうして巡礼の旅に一区切りをつけ、宿に向かった。

この日泊まる宿がこの旅における最後のアルベルゲだ。今までで一番陽気なアルベルゲで、スタッフが音楽をかけて踊ったりしてた。(働けや 笑)

キモとの再会も果たす。僕は彼より先行して歩いていたはずだったが、彼は僕より一日早く到着していたらしい。聞くところによると、最終日は40km近く歩き、一気に僕を抜かしていたようだ。

近くのスーパーにいってワインをたんまり買い込み、宿のみんなで飲む。こんな風にみんなでワイワイするのが今日で最後かと思うととても寂しい気持ちになった。

 

驚く事にこのアルベルゲには僕とケン君の他に3人も日本人が泊まっていた。北大の大学生と東京から来た大学生2人だった。東京の二人はなんと、先日僕がたまたま見かけた「練馬」の文字の主だった!こんな偶然あるもんだ!運命を感じた(笑)

スペインで見る「練馬」の文字のシュールさ

 

夜は日本人のみんなでレストランへ。

Merideで食べ損ねたタコ料理を頂く。とてもおいしかった。日本にはない感じのタコ料理の味付けで、非常に新鮮だった。

かれこれ夜の10時くらいまで外でブラブラし、宿に戻るとみんな就寝する時間だった。

自分のベッドに行き寝袋を広げながら、「アルベルゲに泊まるのも最後か・・・」と感傷に浸りながらも、疲れていたのですぐに眠った。

 

この日の歩行距離は20km。長かった旅が終わった。

美しい景色を見ながら歩き、時には苦しくも、夜は旅の仲間と酒を飲み楽しく過ごした日々。出発前はどうなることやらと思っていたけど、こんなに素晴らしい旅になるとは想像もしなかった。

Caminoへは歩き終えたが、スペイン滞在は残り二日。明日はSantiagoの街を一日観光し、カテドラルのミサに出る予定だ。なんとなく、Santiagoにいる間はまだ”Peregrino”で居られる気がする。

日本に帰るまでの時間を悔いのないように過ごしたい。

 

Camino de Santiago day13-14 Santiago~Madrid

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Comments

  1. おく より:

    お疲れさまでした。
    楽しく読ませていただきました。

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