Camino de Santiago day5 Camponaraya~Vega de Valcarce2016年6月5日
いつも通り7時頃に起床。起きると昨晩まで僕一人しかいなかったドミトリーには2人も客が増えていたwいつの間に来たんだよw
一人は若い女性、枕元に英語の教本がおいてあったからスペイン人かな。持ちものからして巡礼者ではない。現地の人か。
もう一人はスペイン人のおっさん。挨拶交わした程度なのでよく分からないけど寝袋とザック持ってたから多分巡礼者だ。
まぁ、毎日ドミトリーで生活してると誰かが増えてても何も驚かない。しかもここはBARだし地元の人がよく出入りするところなのだ。
自分の日本の旅でも宿に泊まるときは基本的にユースとかゲストハウスのドミトリーを使ってるけど、たまにプライベートな空間に泊まりたくなって数泊に一度はビジネスホテルに泊まったりする。しかし、不思議とこちらでの旅では個室に泊まりたいという気は起きない。
理由の一つとしてはドミトリーが格安すぎるということwこれが一番だ。アルベルゲは基本6€、高くて10€、ホテルは安くて20€だ。一泊10€で高いと感じるぶっ壊れた金銭感覚になった自分にはとても20€の宿に泊まる気にはなれない。
もう一つは、昼も夜もみんなで集まってワイワイやって過ごすというスペインの習慣、Caminoの雰囲気が理由である。どのBARに入っても夕方になれば近辺の住人たちが集まってきて賑やかに酒を飲んでる。そんな習慣に我々もつられて、宿についた後は自然と酒を飲みながらみんなで過ごすという事が多くなる。酒飲んだあとは寝るしかない、同じ部屋で寝てるのはさっきまで一緒に酒飲んでた人たちだから特に不安もない。
さて、これからの道の先にはO’cebreiro(セブレイロ峠)が待っている。今日はその山の麓まで行って次の日の登りに備えたい。
一面に広がるオリーブ畑。確か日本の小豆島でもオリーブ畑を見たっけな。あれとはかなりスケール感が違う。
Cacabelosの町を通過する。
この町、まぁまぁ大きな町のはずだがなんか雰囲気がおかしい。
ひと気が全然無いのである
店という店は尽く閉まっているし、通りに人の姿もない。かといって建物や車の数からしてゴーストタウンっていう感じではない。
でも完全に町が死んでいる。
ここで、ふとカレンダーを見てみる。
今日は日曜日だ。
出発前に少し調べて知ったが、スペインでは日曜日は正真正銘「休む日」なのだ。
これはサラリーマンだけでなく、スーパーやお土産屋、服屋もみんな休む。
日本人の感覚からすると
「え、日曜日とか買い物行くんだからお店は稼ぐチャンスじゃないですか!!!」
と思うのだが、スペイン人にはそんな思考は無いらしい。
スペイン人の休日というのは、買い物行くとか用事を済ませるのではなく、本当にとにかくゆっくり過ごす日なのだそうだ。だから外出してる人も少ない。
考えてみると、休日とは本来こうあるべきだと思う。日本の休日は、平日にできない事を消化する事が多くて本当に「休んでいる」かどうか疑問な人が多い。
休日は休むためにあるもの、そんな単純な考えに基づいているスペインの休日。稼ぐチャンスがあろうがなかろうが休日は休日なのだ。
日本人は真面目なのか考えすぎなのか、こんな簡単な事を忘れていると思った。
まぁでも、我々外からスペインに来てる人間からすると店開いてないとクソ不便なんですけどねw
人より猫の方が多かったんじゃないか・・・
店が閉まってると言いましたが、さすがにBARは開いてます。BARはみんなの憩いの場だからね。
教会の中にアルベルゲがあるらしい。でも営業してなかった。
町を出ると小さな丘をいくつも越える道に入る。
天気が良くて景色もいいのは良いが、こうも日光をさえぎる物が無いと日が昇った昼の時間帯はキツい。サングラス無いとやってられない。
Villafranca del Bierzoを通過する。
外壁のはがれたボロボロの建物。大丈夫かこれw
この町はO’cebreiroの手前の最後の大きな町として巡礼者で賑わったところだそうで。今でこそ舗装路があって難所という難所は存在しませんが、かつてO’cebreiroはSantiagoまでの最後の難所とされ、峠を越えられずこの町で巡礼を泣く泣く終える人も多かったらしい・・・
この町も死んでる。
路地で一人の現地のおっさんに話かけられた。スペイン語でマシンガントークしてきた。
「ごめん、スペイン語わからん」
と身振り手振りで伝えると
「あぁ、そうか」
と理解してくれたようだが、その後再びスペイン語で話しまくってきたw
なんとなく「どの国から来たのか?」的なことを聞いている感じだったので、日本から来たと伝えると
「おお、日本か!良い巡礼を!」
と言ってくれた。
ブルビア川を渡る。
Santiago de Compostelaまであと200km
3分の1歩いた!
街を出てからというもの、とにかく苦行だった。緩い登りの舗装路をひたすら歩く。誰にも会わない。さっきまで同じようなペースで何度か会話を交わしてた若い女性の巡礼者達も気づいたら抜かしてきたようだ。
ロードバイクで登っていく人が何人かいたがとてもうらやましい。
町の店が閉まっていたおかげで水が補給できず、残量が僅かになってきた。暑いし喉が渇くし何もないしで気分は最悪だった。
まぁ、こういう苦しみを味わってこその巡礼なのかもしれないが・・・
ここにはアルベルゲが一件。自販機があってファンタオレンジと水を買う。
もう少し先に進んでおきたいのでここはスルー
BUEN CAMINO, PEREGRINO
さっきの町から先、あまり記憶がないw無心に歩いているだけだった。
途中、泊まろうと思って何件かアルベルゲに行くもすべて閉まっていた。
Vega de Valcarce
結局、O’cebreiroの手前で最後にあるアルベルゲまでくる事になった。なんとも辛い一日だった・・・
私営の綺麗なアルベルゲで、ロッカーまでついている。10€。
オーナーのおばちゃんはスペイン人には珍しく丁寧な対応をしてくれる。
運よく売店が開いていたので、明日の山登りに向けて食料を買い溜めた。
宿からは小さな牧場が見える。(写真右奥) 景色も山らしくなってきた。
夕食後はワインを飲みながら日が落ちるのを眺めて「あー今日は辛かったなー」などとぼーっとしながら過ごす。
この日の歩行距離は30.2km
O’cebreiroも雪が残っているという情報を得ている。標高は1,300mと大した事はないけど、雪に足をとられると結構体力を使いそうだ。
明日の峠がこの旅の一区切りになる。峠に立った時に何か思う事があるのだろうか・・・
今はとにかく寝て体力を回復することしか考えられない。
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