屋久島 定番ルートを登る 縄文杉・白谷雲水峡2014年8月2日

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7月中旬に屋久島に行ってきました。
学会の集まりがあって屋久島に行ったのですが、まさかそれで終わるはずがありません!屋久島は日本の中でも特異な自然環境を持ち、ここでしか見られない光景があります。お勤めもほどほどにして、しっかりとこの大自然を堪能してきました。

今回いったのは屋久島の定番中の定番、白谷雲水郷縄文杉です。今回はそのそれぞれについてレポートを書きたいと思います。

1.白谷雲水郷

ルート

 

登山口から苔むす森を越え、太鼓岩に登りそのまま戻ってくるルート。全体通してよく整備された登山道です。
ところどころ小さな渡渉があり、増水時には注意が必要です。晴れているときでも、前後の天候を良く確かめた上で登る事が必要です。
登山口から往復の所要時間はゆっくり周っても約3時間。素晴らしい景色が凝縮され、登山初心者でも楽しめる素晴らしいルートです。

レポート

朝の便で羽田空港を発ち、鹿児島で飛行機を乗り継いで、屋久島空港に到着したのが午後1時前。雨の多い屋久島には珍しいほどの晴天。宿には19時ごろ着けばいいので6時間ほど暇だ。この時間を使って白谷雲水峡にいく事にした。

白谷雲水峡といえば、ジブリ作品の「もののけ姫」に出てくる森のモデルとなったと言われている場所であり、「もののけの森」と呼ばれる場所がある。(なんかジブリと揉めたとか、人が来すぎて景観が悪くなるとかいろんな話があって現在は「もののけの森」ではなく「苔むす森」に改名されたとの事)

タクシーに乗ること40分程、白谷雲水峡駐車場に到着
入山料300円を払い、いざ出発!

ピンクのリボンを道しるべに登る

序盤から岩を登るので少しビックリするけど、この後の道はとても歩きやすく整備されている。

飛流落とし

序盤はずっと川沿い。水の音を聞き、自然を感じながら歩く。

さつき吊橋。この橋を渡って、いよいよ本格的な登山道に入る。

橋を過ぎてすぐの登り。そこそこ急だけれど、うまい具合に石段が積まれているので非常に登りやすい。

屋久島と言えば縄文杉。確かに縄文杉はすごく立派でとても感動したものでしたが、それ以外にも大きな杉や面白い形の杉、切り株を山ほど見た。縄文杉だけでなく、様々な植物に見ごたえがある。

 

ちなみに「屋久杉」というのは、樹齢1000年以上のものを言うらしい。樹齢1000年以上の杉がいくつもあるというのがまず驚き。
普通の杉は密度が低くいため自重を支えられなくなってやがて折れてしまうらしい。しかし、屋久島の杉は密度が高いためそのような事が無く、長く生きできるらしい。

至る所に水が流れているので水には困らない。山小屋のところではみずがくみやすいようになっていたりして水場があり、適宜補給できる。
自転車ツーリングのときに湧水を飲むというのは何度もやってきた事だけど、屋久島の水は今までで一番澄んでいて綺麗だったと思う。(味は分からん!屋久島の味!)

とにかく、ボトルさえ持っていけば水をたくさん持ってくる必要はないですね。

登山道に入ってから終始薄暗い。写真はブレとの闘い。
ノイジーにならに程度にiso上げて息止めて頑張って写真を撮る。

そんなふうに写真を撮りながら登山道に入って1時間、だんだんと調度いい設定の仕方に慣れてきて失敗も少なくなってくる。なかなか勉強になってけど、こんな経験すると高感度に強いフルサイズが欲しくなってくる。

白谷雲水峡で最も有名なポイント 苔むす森

一面緑に覆われた世界。これ程苔の多い景色は日本随一のものだと思う。多分気分でそう見えるのだけど、屋久島のコケはとても鮮やかな緑を見せてくれる。噂に違わぬ印象深い場所だった。

苔むす森を過ぎると少し登りがキツくなってくる。

 辻峠に到着。
そろそろ緑の写真にも飽きてきました。空が見たい。

ここからは「太鼓岩」を目指す。開けた景色が見えるらしい。高いところからの絶景は山の醍醐味。
ただここからが一番キツかった!今までで一番急な登り。道しるべのリボンをちゃんと探さないと迷いそうな道。とても短い登りなので一瞬だけ頑張りましょう(笑)

これが太鼓岩からの眺望。
なんて雄大な景色。写真じゃ伝わらない。超広角レンズがほしい!!!
若干雲もあったけど、晴れ間は十分にあって、よく見渡すことが出来た。

ここで飲む水は最高においしかった。

そういえばここ、「もののけ姫」の「だまれ小僧!」のところにとても似てる。あそこのモデルはここに違いないというほどに。

実際どうなんでしょう・・・

さて、あとは来た道を引き返して下るだけ。この日、4時起きで家を出発したのでさすがに疲れました。登りのときに、結構ゆっくりと観るところは観たので下りはスルスルとスムーズに行きました。

2.縄文杉

ルート

 

荒川登山口から登る最もメジャーなルートです。往復22km、累積標高700m。

距離はとても長いですが、その殆どが勾配の緩いトロッコ歩きなのでそんなに大変ではありません。定番ルートだけあって人も非常に多いです。なんとか一番早いバスを確保し、人の少ない時間帯に楽しむのがいい。

レポート

朝三時に起床。屋久杉自然館前バス乗り場から5時のバスにのって荒川登山口へ。

この日は6人くらいのグループでガイドつき。往復22km,累積標高700mのコース。荒川登山口が標高600mくらいで縄文杉が1300m


序盤の約8kmはトロッコ軌道を進む。ほぼ一定の緩い勾配でひたすら続くので、坦々と歩く。実は前日の夜全然寝つけず、3時間弱の睡眠しかとっていなかったところにこの坦々と続くトロッコ軌道だったので、足元に気をつけつつも半分寝ながら歩いてましたw

道中いくつも橋がある。この橋には3枚の板が敷いてあるが、以前まで2枚だったよう。

石塚トロッコ軌道との分岐点。この先には石塚集落跡という廃村があるらしく、そういうのが大好きな僕としてはとても興味があったのですが、登山道ではないし、今回のルートではないので行きません。
この先には「天皇杉」という杉や地図に載っていない幻の杉があるとのこと。いつか行ってみたい・・・

ガイドさんにも聞いた話だと、東工大や九工大などが調査で訪れているらしいです。

線路は続く・・・

 

トロッコ道を離れると、登りもキツくなる。ここから縄文杉まで3km。距離でいえばあともう少しだが、トロッコ道8kmを進むのと同じくらい時間がかかった。

やはり後半3kmが本番である。さすが世界遺産登録の島だと思わせる、今までに見たことの無いようなものが沢山である。

メデューサの木

推定樹齢2000年の翁杉。2010年に折れてしまったとの事。

ウミガメ

 

めりこんでる
マグロの頭
ドラゴン
ウィルソン株

屋久島は本当に水が多い。湿度もとても高くて関東の梅雨の比じゃない。苔が育ちやすく、倒木や切り株についた苔を培地にしてそこから新しい植物が生える、というのをよく見る。

シカには沢山会いました。北海道で会ったシカに比べるとずいぶんと小さい。ベルクマンの法則ってやつか。

こいつら常に何か食べてる

5時半に荒川登山口を出発してから約6時間。やっと縄文杉に到着。
度々ガイドさんの説明を聞きながらだったから小まめに休んでゆっくり来たけど、寝不足だったので少し疲れた・・・

 

デカい!そして何よりオーラがある。
事前にネットで縄文杉の写真を見て「ふーんすげーな」くらいにしか思って無かったけど、実物はやっぱり違います。ロープウェイで登った山頂の景色と、自分で登った山頂の景色が違うように、縄文杉もやはり自分の力で登って実際に見るべきものなんだなと思いました。

帰りは来た道をそのままもどり、無事に荒川登山口まで下りました。

初めて屋久島に行こうと思う方へ

(1)登山初心者でも登れる!でも楽ではないよ

当時登山ド素人の自分でも普通に行って帰ってこれた。でも決して楽という訳ではなかった。「縄文杉」というと大変有名なので観光地だと思ったら大間違い。普通に登山です。
時間的な余裕と最低限の装備とそれなりな体力があれば誰でも問題なく登れます。登るのに値する体力なのか、自分の体力を測るのが難しい方はガイドを雇って登るのがいいでしょう。

(2)屋久島の山は高い

屋久島は1周100kmくらいの島なのに、九州の高峰TOP10のうちTOP8は全て屋久島にある。宮之浦岳(1936m)が最高峰。次に来る時は是非、宮之浦岳をはじめとした高い山に登りたい。それまでに登山をもっと経験して鍛えよう。

参考:国土地理院HP
http://www.gsi.go.jp/kyusyu/chiri_data-yama-best20.html

ちなみに、今回の縄文杉へのコースはストリートビューで見られるようですね。

おまけ

屋久島滞在最終日、縄文杉を見たし満足しているかと思いきや、なんかぱっとしない。

そうだ、自転車に乗っていないからだ!

ってことで飛行機に乗るまでの数時間クロスバイクを借りてちょっとだけ走りました。

遠出したら自転車に乗る。という習慣が身についてしまって、自転車乗っておかないとどうも駄目です。

ちょっと走った感じ、やっぱり島だけあって周りはアップダウンがキツい。一周するのは楽ではないなんじゃないかな。

でも、やっぱり屋久島に来たら自転車よりも登山をすべきなのかな、と思います。自転車で一周もいいけど、「屋久島の本質は山にあり」という感じがした。

屋久島で食べた飯は全部美味かった。刺身のあまり好きではない自分でもおいしいと思うほど刺身はおいしかった。

屋久島で食べた最後の飯。「黒らーめん 王龍 」にて

屋久島ラーメン

 

帰りの飛行機乗る時が一番名残惜しい。

なんか遊びに来た訳じゃないのにすっかり楽しむことが出来ました。

ありがとう屋久島、また来る日まで。

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