D750を買ってから登山で使用したり何回かスナップを撮りに行ったりしてみました。ここまでで感じた事をいくつか。
D7000から乗り換えた形になるので、今まで使用していたD7000とD750の比較もしてみたいと思います。
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1.外観
(1)正面
右がD750、左がD7000 |
軽量な事を1つ売りにするD750でも、さすがに正面からの図はAPS-C機のD7000に比べると大きいですね。Fnボタンにはファインダー内水準器の表示を割り当てた。
(2)背面
液晶側のボタンの配置もD7000とほぼ同じで操作に迷うことはない。AE-L AF-Lボタンはもちろん親指AFの設定に。
(3)ボディの薄さ
ボディはかなり薄くなってる。それに合わせて型液晶も小さい。情報量が減って若干寂しい気もするけど、僕が見るのはF値とSSとISOと露出補正であり、それらは全て表示されるので問題なし。むしろ要らない情報が消えてスッキリしたかも。
もうひとつの売りのグリップの深さ。これは確かにまぁ持ちやすいかなーという感じだけど、D7000が持ちにくかった訳でもないので、個人的にそこまで有難みはないかな。でもこういうのは長く使って感じていくものだろうから現状では何とも言えない。
チルト液晶は今のところ使ってない。手持ちでこれを使う事はほとんどなさそうだけど、三脚使って撮影するときに使えそう。
重さはD7000からほんのちょっと重くなったかな、というくらい。そもそも一眼レフに過度な軽さは求めていないけど、重すぎるのはNGなのでこのくらいが許容範囲ですね。
付属のストラップにはD750の機器名入り。これがあるとカッコいい!
2.機能
(1)OKボタン一発で等倍表示
再生画面でOKボタンを押す事で等倍表示にする事ができる。いままでボタンを何回も押して拡大してたのが一発で出来るので便利。液晶も高精細になったので撮った写真の確認がより正確に出来る。
(2)グループエリアAF
これはとても良いです。 その場に留まってじっくり撮るよりは移動しながら撮る僕にとって、とっさにカメラ構えてピントを合わせられるというのは結構大事。AFが迷う確率がかなり減ったように感じるので効果絶大。
3.撮影
(1)高感度性能
D7000とは比べ物にならないくらい良い。50mm単焦点(もちろん手ブレ補正なし)で夜の町の写真を手持ちで撮る事が出来て、これはもう今までとは別世界に感じた。ISO3200くらいじゃノイズは目立たない。ISO12800では流石に目立ってくるけど観れない画にはならない。RAW現像の時に頑張れば十分何とか出来そうなレベル。
夜の神田明神にてISO2000で撮影、50mm単焦点 |
室内撮りも余裕 |
(2)ファインダーの見やすさ
大きくて見やすい。「ファインダーが暗い」というレビューを目にしますが、他のカメラと比べてそう感じる事はありません。
情報表示は有機EL素子を使っていて非常に見やすい。
(3)DXクロップ
使ってみましたが、慣れれば結構使えるかもしれません。でも、ファインダーには写真に写る範囲を示す四角が表示されるだけなので、見やすい訳ではないです。フルサイズ用レンズを使うに越した事は無いです。
ちなみに、DXクロップでは画素数は1000万画素くらいになりますが、拡大したりデカい紙に印刷する訳でもないので、そこは問題ありません。
APS-C用レンズで撮影 |
(4)JPEG撮って出しがきれい
これは完全になんとなくなんですけど、撮って出しの写真でもイイカンジの色合いで出てくるように感じます。RAWで下手にいじるよりもJPEGで質のいい画像が出てくるに越した事は無いのでうれしいですね。
4.登山での使用感
僕がこのカメラを活躍させるフィールドは主に山なので、その辺について。
登山でカメラを使うにあたり、気になるポイント次の点でしょう。
(1)重さ
前述のとおり、決して軽くありません。フルサイズゆえ、レンズも大きく重くなりシステム全体の重量はかなり重くなります。カメラのせいで一気にザックが重くなりますが、そこは体力でカバーしましょう(笑)
(2)携帯性(持ち運び)
決して良くはありませんが、これは一眼レフすべてに関して言えることです。僕はこのアタッチメントを使ってカメラを持ち運んでいます↓
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D750 + 16-35mm f/4 という割と重い組み合わせでも暴れたりすることなく快適に携帯できます。そんなに偏った重さも感じません。
登山で一眼レフを使う人すべてにオススメしたいです。
(3)極限環境での動作安定性
アウトドアでカメラを使用する人にとって、特殊な環境でカメラがちゃんと動作するかどうかというのは大きなポイントだと思います。
例えば登山をする人であれば雪山でちゃんと動作をするかという事が気になります。
このカメラを使った雪山山行で特に気温の低かったものを挙げます。
・厳冬期 燕岳 夜間早朝:体感気温-20℃
・厳冬期 赤岳 昼間:体感気温-20℃
いずれの山行でも、電池が急激に減ることも無く、画像の色相がおかしくなることも無く、ちゃんと撮影することができました。
Nikonのカメラの特徴の一つである「堅牢性」というものは、このカメラでもしっかりと出ています。
このカメラが正常に動作しなくなった山といえば屋久島くらいです。
11月の屋久島では雨がひどかったので基本的にザックの中に入れて行動し、必要な時だけ取り出して撮影していました。途中、水たまりに転げ落ちたりしてカメラが濡れましたがこれは問題ありませんでした。
しかしながら、湿度がとても高い気候の中、日の出ないうちに標高を600m程上げたところ、内部が結露し動かなくなりました。その後しっかり乾かしたら撮影できるようになりましたが・・・
屋久島は湿度が異常に高く、麓と山頂で気温差も大きい特殊な環境でしたから、このような問題が起きてしまいました。
まぁでも、そんな環境で使用する事なんてめったにない事ですから、これは例外と言っていいでしょう。
(4)三脚無しでどこまで撮影できるか
まず日中は大丈夫でしょう。問題なのは日の出前などの暗い時間帯です。
こちらは日の出前のかなり暗い時間帯に手持ちで撮影した写真です。D750は高感度の性能がかなり良いので、ISO上げまくって手ぶれを防ぐことができます。
また、D750は低輝度時のAF性能が”-3EV”である事が一つの売りです。D610は”-1EV”,D810でも”-2EV”ですから、Nikonのラインナップの他のどのカメラよりも、暗所でのAF性能が良い事になります。
ゆえに暗い場所でもAFでしっかりピントが合ってくれて、そんなにマニュアルフォーカスに頼らなくても撮影できます。が、僕が登山用のカメラにD750を選んだ最大の理由です
星空撮影とかは手持ちでは流石に無理ですが、それ以外の登山で撮りたい風景はD750ならすべて手持ちで撮影できると感じています。
5.総評
D3100からD7000にしたときは、型液晶が増えたり機能が多かったりで「かなり変わったなー」という気がしましたが、今回パッと手にしただけでは「ふーん。」くらいなもんで、大した感動はありませんでした。でも実際使ってみるとAFの食い付きや高感度性能はケタ違いで、撮影出来る幅がとても広がったように思う。50単で夜の町を手持ち撮影なんて今までは考えられなかったからね。それを考えれば高い買い物をした事に後悔はないかもしれない。
とにかく今のところは素晴らしいの一言なので、どんどん使い倒して行きたいと思います。
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