南アルプス 北岳 テント泊2015年10月3日

この記事をシェアする

休みがなく何もしなかったシルバーウィークの翌週、山に行ってきました。

今回はテント泊で南アルプスの北岳です。
登山をやってない人は北岳の名を知らない人は多いと思いますが、北岳は富士山に次いで日本で2番目に高い山です。 標高3193m

実はこれが南アルプスのデビュー戦です。そして初のテン泊登山でもあります。(初めてのテン泊登山が北岳ってどうなのよ・・・)

ワクワクいっぱい、ちょっと不安。いつもより重いザックを背負っていざ出発です。
今回は大学時代のサークル(自転車のサークルです笑)の後輩と2人です。

——————————————————–
↓一緒に登った後輩の記事です。合わせてご覧ください。
北岳 9/27~28 前編
北岳 9/27~28 後編
——————————————————-

 

1日目

 

前日に甲府駅の一つ先にある竜王駅に移動。ネットカフェに宿泊し、朝4:50分発のバスに乗る。
このバスは甲府駅発なので座れない事も覚悟したが、大きなバス2台で来たので余裕で座る事ができた。

6:30 登山口のある広河原に到着。
すでに多くの登山者で賑わっています。バスで南アルプススーパー林道を通ってきたけど、ここでもかなりの秘境です。
甲斐駒、仙丈ケ岳の登山口となる北沢峠に向かうバスがここから出ていて、それに乗りかえる人も多数いました。

ここには広河原インフォメーションセンターがあり、給水所を利用したり、ガス缶や食料などちょっとした登山用品を買う事もできます。(なぜか靴まで売ってた)

北沢峠に向かうゲート。この脇を抜けて登山口に向かいます。

少し進むと橋が見えてきます。この橋を渡ると、いよいよ登山道のスタートです。
広河原の標高は約1520m。山頂の3193mまで1670mの標高差を登ります。

渡った先にはこんな看板が。
今シーズン、5人も死んでしまっているのか・・・
僕は高齢者ではないけれど、注意すべきなのは自分も同じ。一般登山道に大きな危険個所はない北岳といえど、体力的に簡単な山ではないし転んだら死ぬようなところもある。今一度気をひきしめて行こう。

広河原山荘で登山計画書を提出。森を進んでいきます。

20分弱歩くと白根御池分岐に着く。ここを左に曲がり、沢沿いに登るルートをとる。

登山道にも川の水が入ってきていて、川の中を登っていくような状態が続く。

 

標高2000mくらいまで上がってくると開けた沢に出ます。上の方は見事にガスっております。

ここからはこの沢をひたすら直登していきます。山頂までの標高差はあと1200mくらいある。長い・・・

標高2400mくらいから紅葉が始まっています。お山の上はすっかり秋なのです。
下界で見る紅葉よりも色鮮やかな感じがしました。グラデーションが美しい。

二俣分岐を過ぎてひたすら上を目指す。

・・・が、なにかおかしい。

事前にネットで確認していたルートと何か違う気がする。

GPSで現在の位置を確認してみると、なんと分岐で左に曲がるべきところを直進してしまっていた。

分岐の標識を確認していたけど、なんとなく進んでしまって間違えてしまったらしい。前日3時間しか寝れず、急登が続いて疲れていたために確認を怠って生じたミスでした。

分岐からここまで既に30分は登っていたので、もう一回分岐に戻ると1時間弱のタイムロスになる。

幸い、時間に余裕をもって計画したので1時間のロスくらいは問題ない。こういう事が万が一にもあるから余裕を持った計画が必要なんだと実感した。

もっと地図で地形を見て、それを意識しながら歩いていれば疲れていてもこういったミスはしないと思いました。
大変反省しましたが、とても良い勉強になりました。

気を取り直して分岐に戻り、本来のルートに入り八本歯のコルを目指します。

ここからより一層勾配がキツくなる。道を間違えて無駄な体力を使ってしまった事を激しく後悔した。

休憩しているところから今まで登った道を見下ろす。この谷の一番下からずっと登ってきました。

ガスは晴れたり晴れなかったり。始めこそそれに一喜一憂していたが、ここまで来るともう今日は晴れないと諦めモードに入ってきた。

 

やっと沢沿いの登りが終わる。しかしここから急なハシゴの連続になる。この時点で標高は2700mを越えているので、すぐに息が切れるようになってくる。でもここを頑張ればもうすぐ八本歯のコルだ。

もうすぐ八本歯のコルに到達しようかという頃、急にガスが晴れた!
見てくださいこの景色、もう最高でしょう!!!

ここまではなんだか「苦行」という感じでしたが、やっと楽しい気分になってきました。

天に向かって岩場を登り・・・

八本歯のコルに到達!
やっとここまできました!涼しい風が吹いていて、日差しが気持ちいいです。

ボーコン沢の頭方面

この登りも楽しそうだ。今回はこちらへは進まない。

この時期、こんなところでススキに出会うとは・・・

さて、晴れてきたし楽しくいくぞーと再び足を進めるが・・・

まーたハシゴ。もうハシゴは飽きましたよ・・・

このハシゴをクリアすれば岩場の道となるが、傾斜はゆるくなる。しかし、まったく楽に感じない。標高3000mに近づくと一段と息が切れる気がする。

 

トラバース分岐に到着!

ここは山頂まで向かう道と、山頂を巻くトラバース道との分岐な訳ですが、今日は山頂には向かわずトラバース道を通り、北岳山荘で一泊する計画になっています。

北岳山荘も見えており、かなりゴールが近づいてきました。

いよいよトラバース道へ。崖っぷちをトラバースするこの道、なかなかスリリングなように見えます・・・

しかしこの道、見た目ほどの高度感はなく、危険を殆ど感じることなく通過できました。多くの方がブログなどで書かれている事ですが、本当に大した事ありませんでした。

高所恐怖症の人はどうかと思いますが、そもそも北岳に来るような人なら絶対大丈夫だと思います。

真ん中の小屋が北岳山荘

トラバース道を抜けると北岳と間ノ岳を結ぶ稜線に出る。今日のゴールである北岳山荘はこの稜線の鞍部に位置する。もう目前だ。

稜線には強い風が吹いて、雲はダイナミックに動いている。これぞ標高の高い山という景色です。

本日のゴール 北岳山荘に到着!

いやー長かった!ルートミスのせいで到着が遅くなりましたが、日没まで十分余裕をもって到着する事ができました。

さっさと受付を済ませ、小屋の裏のテント場にテントを張りに行きます。

前日の寝不足から、この時僕は眠くて眠くてしょうがなくて、テントを張ってすぐに仮眠をとりました。

 

仮眠から目覚めたらのんびりと夕食の準備。この日のメニューはクリームシチューとトースト。
シチューは連れが前日に仕込んできてくれた具材を調理して作りました。

トーストは、僕のザックの中で潰れた食パンをこのトースターで焼きました↓

PRIMUS(プリムス) フォールディングトースター2型 IP9222F【日本正規品】
PRIMUS(プリムス) (2012-04-17)
売り上げランキング: 12,352

2000円以下で購入することができます。火加減を調節するのに慣れが必要でしたが、すぐにイイカンジにパンを焼くことができました。
収納時はコンパクトに折りたたむ事ができるので場所も取りません。これ一つでキャンプのごはんの幅がとても広がるので、大変オススメです。

この日は偶然、中秋の名月、そしてスーパームーンの前日。
雲海の上にこんなに大きくて明るい月が浮かぶ景色はなかなか見れるものではありません。

幻想的な景色を見ながら幸せな気持ちでぐっすりと眠る・・・・・・

はずでしたが

2日目

日付が変わったくらいに目が覚めた。風が強くなってフライシートがバタバタ音を立てていてうるさい。少し強い風だったが、今のところ大きな岩でしっかり固定したペグが外れる心配はなさそうだったので、また寝ることにした。

時間が経つにつれて風が強くなってきて午前2時くらいからは全く寝れず、3時くらいには暴風になった。そしてついに、一番強く風を受けていた部分のペグが外れてしまった。
それからというもの、テントのバランスが崩れて別のペグも外れ、何度も外に出て復旧作業をすることになり、最後にはあきらめて風で傾くテントの中で座り込んで朝を待つことにした。

僕のテントは風に弱い形状なので、もっと気を使って設営すべきでした・・・

長い夜でしたが、やっと空が明るくなってきました。

雲海に浮かぶ富士山。とても趣ある景色でゆっくり眺めたいところですが、風が強くてそれどころではありません。

風でテントが飛ばされないか怯えながら必死にカメラのシャッターを切っていますw

今こうしてゆっくり写真を眺めると、ほんとに素晴らしい景色です。

富士山とご来光のツーショット

 

テントを撤収し、ゆっくり朝食を済ませる。
日は高く上ってすっかり明るくなりました。

御覧の通りの快晴、文句なしの天気です。風がないところはほんのり暖かいのですが、稜線にはとても強い風が吹いており、体感温度は真冬の寒さです。

しっかり着込んで北岳山頂にアタックです。

 

北岳山荘から15分ほど歩いた。
北岳山頂まで「転落注意」とある。 危険個所はなかったと思うけど、気を付けておこう。

北岳山荘から標高差はあまりないけれど、山頂直下は急な登りが続く。

二日分の寝不足が体に重くのしかかる。標高も3100mを越えたので、はしごを一つ登っただけで息が切れてしまう。

間ノ岳方面を振り返る。本当に美しい景色。テントを張っていた北岳山荘も小さくなってきました。

小休止を挟みながら焦らず登っていく。

狭いトラバースを抜けるとその先はついに・・・

北岳山頂 標高3,193m

やっとの思いでここまで来ました。標高が高い分達成感も大きい。

北岳の三角点ゲット

 

仙丈ケ岳と、奥に見えるのは中央アルプス。
先日登った宝剣岳、木曽駒ヶ岳の千畳敷カールも見えます。

すぐ近くには鳳凰三山。地蔵岳のオベリスクがかっこいい。登りたいなー

甲斐駒をバックに一枚

山頂の地蔵さんは富士山を眺めております。

広角レンズしか持っていなかったので写真には納められませんでしたが、北アルプスまでしっかり見えました。たぶん日本アルプスの山々をほぼすべて見ることができる、最高の大パノラマでした。

山頂で2回目の朝食食べたり写真撮影を楽しんだりしてゆっくりした後、下山開始。

肩ノ小屋までは岩場が続きます。

 

肩ノ小屋はちょうど標高3000m

 

小太郎尾根分岐までは標高差の少ない下りです。景色を楽しみながらテンポよく歩きます。

小太郎尾根分岐を過ぎると森の中に入っていき、展望のいい道は終了です。ここにくると、もう早く下ってしまいたいという気持ちが強くなってきて、一つ先の小屋までガンガン下っていきます。

白根御池 2230m

登りも長ければくだりも長い。やっと1000m弱下った。まだあと700mも下らなければいけない。  

白根御池の山小屋。かなり立派です。
アイスクリームが食べられるとのことですが、この時は売り切れだったようです。食べたかったー

白根御池を過ぎると、緑の森の中になります。紅葉している植物は全然ないので、下界も近いなーという感覚になります。
なんとなく、雰囲気が三ツ峠の登山道に似ています。ベンチがあったりするし。(三つ峠ほど多くないけど)

山小屋から黙々と下ること1時間30分、見覚えのある分岐に戻る。
ここは登りのときに最初に訪れた分岐だ!ゴールは近い!

登山道の終わりとなる橋が見えた。とても長かった・・・

早く下りたかったけど、いざ終わるとなるとなんだか寂しいような。

というわけで、無事に広河原の登山口まで戻ることができました。

この後、甲府駅行の最終バスに乗り、4時間電車に乗って自宅に帰りました。

実際北岳に登ってみると、今まで登った山の中で一番体力的な難易度が高かったと思います。それを初のテント泊装備で、寝不足の体に2日間ムチ打って歩いたので久々に大きな疲労感がありました。

2日目はずっと晴れていたのですが山小屋の人曰く
「いつも昼を過ぎるとガスが出てくるので、今日みたいにずっとすっきり晴れてる事は珍しい」
とのことで、月の事といい本当に運のいいタイミングで登れたなぁと思いました。

ルートミスといい、テントの事といい、今回は今までで一番失敗を犯した登山ではありましたが、その分たくさんの事を学ぶことができました。
自分もまだまだだなぁ と実感したので、楽しみを広げるためにもっと経験を積みたいと思います。

まぁなんか色々ありますが、最高の景色、最高の飯、 とにかく楽しかった。

以上

この記事をシェアする

コメントを投稿する

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。

内容をご確認の上、送信してください。

関連記事